平均の ピンへの 近接距離が 同じでも、 分散楕円が 違えば 狙い方は 変えるべき?
分散・ターゲット選択
まず答え
変えるべき場合があります。平均的なピンへの近さが同じでも、ショットの散らばりが左右型か前後型か、どちらへ長く伸びるかで池・バンカー・ラフなどへ入る確率が変わるため、期待スコアを小さくする狙い点も変わり得ます。
詳しい解説
平均のピンへの近接距離は、複数ショットが平均してピンからどれくらい離れたかを見るには便利です。ただし、それだけではショットがどの方向へ散らばっているかは分かりません。平均距離が同じ2人でも、左右へ広く散る人と、縦距離だけが大きくばらつく人では、同じ場所を狙ったときの危険区域への入り方が変わります。
分散楕円は、この左右・前後の広がりと向きをまとめて見る方法です。たとえば楕円の長軸が左方向へ伸び、その左側に池があるなら、同じ平均近接距離でも右側へ狙いをずらす価値が高くなります。逆に、ばらつきの大半が前後方向で左右の危険が少ないなら、横へ大きく逃がす必要は小さいかもしれません。
2025年のStaufferとGuillotの研究では、PGA TOURのShotLinkデータや選手のショット分布、コース上のフェアウェイ・ラフ・バンカーなどの位置を組み合わせ、各狙い方向・距離から起こり得るショット結果を確率分布として扱って、期待打数が小さくなる戦略を計算しました。モデルでは平均距離だけでなく、ターゲット周辺へどう散らばるかという経験的なショット分布を使っています。これは、狙い方を決めるときに分布の形とコース上の危険位置が重要であることを示します。
Broadieのストローク・ゲインド研究でも、ショットの価値は単純なピンまでの距離だけではなく、打った後の位置とライからホールアウトまでに必要な期待打数で評価します。したがって、同じ10mのミスでも、グリーン上に残る10mと、バンカーへ入る10mではスコアへの影響は同じではありません。
実用上は、平均近接距離だけで『このクラブは精度が同じ』と判断せず、分散楕円の大きさ・向き・中心の偏りと、池・OB・バンカー・ショートサイドなどの損失が大きい場所を重ねて見ます。ただし、楕円だけでも十分ではありません。外れ値、球数、ライ別のペナルティ、中心の偏りなども狙い判断へ影響するため、可能なら実際の着弾点分布と期待スコアを合わせて評価します。