ゴルフ百科事典

気温と空気密度は、ゴルフボールの飛び方にどう関係する?

空気密度・弾道

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まず答え

同じ気圧なら、気温が高いほど空気密度は低くなります。空気密度が下がると、飛んでいるボールに働く空気抵抗と揚力の大きさも変わります。ただし実際の飛距離は気圧・湿度・標高・風、さらにボール自体の温度や打ち出し条件にも左右されるため、「気温が高いほど必ず何ヤード飛ぶ」とは一律に決められません。

詳しい解説

空気密度は、一定の体積の中にどれだけ空気の質量があるかを表す値です。気体の状態方程式では、乾燥空気を近似的に理想気体として扱うと、密度は気圧に比例し、絶対温度に反比例します。つまり他の条件、特に気圧が同じなら、気温が上がるほど空気密度は下がります。

気圧と空気の組成が同じなら、温度が高いほど密度は低くなります。実際の密度は気圧や湿度なども関係し、ボールの飛距離には抗力と揚力、風、球自体の温度も影響します。図の点の数を飛距離や密度の補正式には使えません。

NASAが示す標準大気の考え方でも、気圧・温度・密度は互いに関係する状態量として扱われています。したがって「20℃だから密度はいくつ」と気温だけで決めるのではなく、実際にはその場所の気圧や高度、湿度も必要です。標高が上がると一般に気圧と密度が下がり、水蒸気量が変わっても密度は変化します。

ゴルフボールの飛行では、空気密度は抗力と揚力の式に入る重要な量です。鳴尾らは実際のゴルフボールを高速回転させた風洞試験で抗力・揚力・を測定し、それらを使った飛翔軌道計算を実射結果と比較しました。飛行中のボールは速度、スピン、空力係数だけでなく、周囲の空気による力を受け続けます。

空気密度が低くなると、同じ速度・スピン・空力係数なら抗力と揚力の絶対値はともに小さくなります。抗力が減ることは速度を失いにくくする方向に働きますが、揚力も同時に変わるため、弾道全体の変化を「抵抗が減るからその分だけ飛ぶ」と単純化はできません。やによって影響の出方も変わります。

また、外気温とボールそのものの温度は別です。ボール温度を変えてドライバーショットを比較した原著研究では、とキャリーに差が出ました。したがって寒い日と暑い日の距離差には、空気密度だけでなくボール材料の温度変化も混ざり得ます。

実用上は、気温だけで飛距離補正を固定せず、標高・気圧・湿度・風とあわせて大気条件として扱います。弾道計算や計測器の補正でも、空気密度はこうした複数条件から決まる値として扱うのが適切です。