打ち上げ・打ち下ろしでは、 同じ 実距離でも ピンまでの 距離が 違って 見える ことがある?
距離知覚・傾斜
まず答え
あります。人の距離知覚は水平距離だけでなく、地面の傾きや視線角度など周囲の見え方にも影響されます。実験では同じ距離でも急な上り・下り斜面上の対象を平地より遠く感じる例があり、ゴルフでも目測値を絶対視しない方が安全です。
詳しい解説
同じ実距離でも、打ち上げ・打ち下ろしでは見た距離が変わることがあります。人は距離を単純な物差しのように見ているのではなく、地面の傾き、視線の角度、周囲の地形や背景など複数の手掛かりから空間を推定しています。
Proffittらの自然環境と仮想環境を使った実験では、急な上り坂と下り坂に置かれた対象は、同じ距離の平地上の対象より遠く見積もられました。後続研究でも、坂上の距離が平地より遠く見える「distance-on-hill effect」が再現されています。ただし、この効果の原因が身体的な負荷の予測によるのか、純粋な視覚処理によるのかについては議論があります。
また、斜面では「水平」がどう見えるか自体も変わります。屋外21場面を使った研究では、知覚上の水平線が周囲の斜面方向へ引っ張られる現象が確認されました。つまり、打ち上げ・打ち下ろしでは距離だけでなく、高低差や傾斜の見え方も相互に影響し得ます。
ゴルフで重要なのは、見た距離と実際のプレー距離を分けることです。目測で遠く・近く感じても、それはレーザーやGPSの実測距離、高低差による弾道上の補正と同じ意味ではありません。まず実測の水平距離や高低差を確認し、その上で風、気温、弾道、着弾条件を別に考えます。
自分が打ち上げを遠く、打ち下ろしを近く感じやすいなどの癖があるなら、ラウンドごとに目測と計測値を照合すると校正できます。見え方の差は起こり得ますが、一定割合で必ず何ヤード違って見えるという普遍的な補正式はありません。