ゴルフ百科事典

カートや歩行がフェアウェイの同じ場所に集中すると、何が起きる?

フェアウェイ管理・交通負荷

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まず答え

芝がすり減る「摩耗」と、根の周りの土が押し固められる「締固め」が進みやすくなります。特に湿った地面では傷みが大きくなり、薄芝・裸地・わだちが出たり、水や空気が根域へ入りにくくなったりするため、交通を同じ場所へ集中させない管理が重要です。

詳しい解説

フェアウェイにカートや歩行が集中すると、主に二つの負荷が重なります。ひとつは芝葉や茎が踏まれて削られる「摩耗」、もうひとつはタイヤや足の荷重でのすき間が減る「締固め」です。

通行による負担には、地上部が擦れたり折れたりする摩耗と、根域の孔隙が減る締固めがあります。特に大きな孔が失われると、水や空気の移動が制限されやすくなります。湿り具合や荷重で影響は変わります。

USGAが紹介する交通試験では、フェアウェイやグリーンの芝は、繰り返しの交通によって摩耗と締固めが重なり、芝が薄くなることが確認されています。特にカートが同じ出入口、バンカー脇、ティーからフェアウェイへ入る線などを通り続けると、局所的に負荷が集中します。

土が締まると、土壌中の大きなすき間が減り、水や空気が下へ動きにくくなります。USGAは、繰り返すカート交通で土壌のかさ密度が上がり、飽和透水性が下がることを紹介しています。根は酸素と水の動きが悪い環境では伸びにくくなるため、回復力も落ちやすくなります。

傷み方はいつも同じではありません。湿った土や融解直後の軟らかい地面は、乾いた地面よりわだちや締固めが起こりやすく、芝の生育が遅い季節は踏まれた後の回復にも時間がかかります。反対に、生育が旺盛で土が乾き、交通が広く分散していれば、同じ利用量でも傷みは小さくなります。

そのため管理では、「何台までなら安全」と一律の数字を置くより、地面の水分、芝の生育、交通が集中する場所を見ながら、カートの進入・退出位置を変える、通行を分散する、必要ならカート道路だけに制限する、といった方法で負荷を逃がします。

つまり交通負荷は、単に芝の見た目を悪くする問題ではありません。表面の摩耗と根域の締固めが重なることで、フェアウェイのライ、排水、回復力まで悪化させるため、同じ場所に交通を集めないことが基本になります。