3Dスイング解析の 「バックスイング高さ」って 何?
バックスイング・手元位置
まず答え
バックスイング高さは、バックスイング中の手元やクラブの代表点が、地面などの基準に対してどれだけ高い位置にあるかを見る位置指標です。研究によって測る点や座標系が違うため、「何cmが正解」という共通値ではありません。
詳しい解説
「バックスイング高さ」は、バックスイング中の手元やクラブの位置を上下方向で捉えるための実用的な言い方です。ただし、3D解析で世界共通の一つの定義に固定された指標ではありません。手のどの点を測るか、クラブのどの点を測るか、地面を基準にするか身体を基準にするかで数値は変わります。
Carsonらの2014年研究では、3人のPGAプロコーチと6人の上級アマチュアが実打と素振りを行い、全身の3次元運動を計測しました。この研究では「トップ・オブ・スイング」を、右手の遠位端がグローバル座標の鉛直方向で最大位置に達したフレームとして定義しています。また左手位置は胸骨のローカル座標系に対する3次元位置として解析しました。つまり、同じ『手の高さ』でも、地面基準の鉛直位置と身体基準の位置では別の量になります。
一方、MacKenzieらの2020年研究では76人のドライバーショットを光学計測し、手が移動した軌道の長さを「hand path length」として扱っています。これは手がどれだけ高く上がったかではなく、手が軌道上をどれだけ移動したかという距離です。バックスイング高さ、バックスイング幅、手の軌道長は似た見た目でも同じ指標ではありません。
高さは、体格、腕の長さ、前傾、胸郭・骨盤の回旋、腕の挙上、クラブ長などの組み合わせで変わります。そのため、別人同士の絶対値だけを比べて『高いほど良い』『低いほど再現性が高い』とは判断できません。
実用上は、①何の点の高さか、②地面基準か身体基準か、③トップをどう定義したか、④同じクラブ・同じ計測法かをそろえて比較します。本人の良いショットでの高さと、その後のクラブ軌道、打点、球筋、再現性を一緒に見るのが適切です。