ゴルフ百科事典

パットでいう「ボールと芝面の摩擦」って何?

ボール・地面相互作用/摩擦・転がり抵抗

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まず答え

ボールと芝面の摩擦は、接触面でボールの滑りや転がりに逆らい、前進速度や回転を変える作用です。パット直後の滑っている区間と、後の転がり抵抗では状態が違い、グリーン全体を1つの固定した摩擦係数だけで表すことはできません。

詳しい解説

パットしたボールと芝面の間では、接触状態に応じて摩擦の働き方が変わります。打ち出し直後にボールが芝面に対して滑っている間は、接触面の摩擦が前進速度と回転の両方を変え、滑りを減らして純転がりへ近づけます。純転がりに入った後も、ボールや芝の変形、微小な接触などによる転がり抵抗が残るため、ボールは徐々に減速して止まります。

スキッド距離と純転がりに達するまでの時間は別の測定量です。純転がりでは中心の速さと回転による周速度が等しくなり、接地点はその瞬間、地面に対して滑りません。純転がりでも球は減速し得ます。測定器の指標名や算出方法は個別に確認します。

Daemiらは、ゴルフボールが滑りを伴って転がり始め、そこから転がり摩擦の状態へ移る一般化モデルを示しています。つまり「滑っているボール」と「純転がりしているボール」では、同じ摩擦という言葉でも力学的な状態が同じではありません。

さらにBurrittとHenriksonは、複数のパッティング面でボールの転がり全体を撮影し、一定の転がり摩擦係数を使うモデルと、速度に応じて変わる係数を使うモデルを比較しました。実験では、転がり摩擦係数の速度依存性が表面ごとに異なり、4面のうち3面と残り1面では速度低下に伴う変化の方向まで異なりました。

したがって「このグリーンの摩擦係数は常に一定」「摩擦が大きいほど必ず悪い」と単純化するのは適切ではありません。実戦や計測では、スキッド区間なのか純転がり区間なのかを分け、ボール速度、芝面、傾斜、水分などの条件をそろえて比較する必要があります。