ゴルフ練習で いう 「漸減フィードバック」とは?
フィードバック・練習設計
まず答え
漸減フィードバックは、練習の初めは外部フィードバックを多めに与え、慣れてきたら回数を段階的に減らしていく方法です。狙いは、必要な情報を残しつつ、最終的に自分で誤差を判断する割合を増やすことです。
詳しい解説
漸減フィードバックは、練習が進むにつれて、コーチの助言や結果情報などの外部フィードバックを段階的に少なくする練習設計です。英語ではfaded feedbackやfaded knowledge of resultsと呼ばれます。
たとえば最初は毎回結果を確認し、その後は2回に1回、さらに数回に1回というように減らしていきます。ただし、減らし方に普遍的な正解があるわけではありません。目的は単純に情報を隠すことではなく、初期には課題を理解する助けを残し、慣れてきたら本人が内在的フィードバックを使って誤差を判断する機会を増やすことです。
Aoyagiらは健常成人の力発揮課題で、100%の結果情報、50%の結果情報、練習日ごとに結果情報を減らす漸減条件を比較しました。漸減条件では練習後の誤差改善がみられ、改善効果が1週間後まで観察されました。一方、別の研究では、成人では減らしたフィードバックが保持時の一貫性に有利だったものの、子どもでは100%フィードバック群より成績が低くなる結果も報告されています。
さらに、文脈干渉と組み合わせた研究では、漸減フィードバックが常に学習を良くするわけではなく、ブロック練習との組合せでは成績を悪化させた条件もありました。したがって『上達したら必ずフィードバックを減らす』『毎球確認は悪い』という固定ルールにはできません。
ゴルフでは、初めて試す動きや計測項目では確認頻度を高め、本人が打点・出球・距離などを予測できるようになったら、数球に1回だけ外部情報を確認する形へ移す方法が考えられます。減らしたあとに成績や自己評価の精度が大きく崩れるなら、減らす速度が速すぎる可能性があります。
漸減フィードバックのポイントは、外部情報をゼロにすることではなく、必要な支援量を学習の進み具合に合わせて変えることです。