ゴルフ百科事典

クラブ内部の樹脂やエラストマーは、なぜ打感や音の調整に使われる?

クラブ材料・振動設計

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まず答え

樹脂やエラストマーは金属だけの構造とは異なる振動の伝わり方をするため、インパクト後に手や耳へ届く振動の強さ・周波数を整えやすいからです。配置によっては重量配分にも使えますが、「柔らかい材料を入れれば必ず柔らかい打感になる」という単純な関係ではありません。

詳しい解説

ゴルフクラブの「打感」は、フェースがボールへ与える力だけで決まるものではありません。インパクトでヘッドに生じた振動がシャフトや手へ伝わる感覚と、同時に耳へ届く音が重なって、ゴルファーは「柔らかい」「硬い」「弾く」などと感じます。

そこで一部のアイアンやユーティリティでは、金属ヘッドの内部や背面に樹脂・エラストマーを配置して、振動の伝わり方を調整しています。PING i230は、エラストマーインサートと複合素材のバッジを組み合わせ、打感と音を高める設計を公式に説明しています。Titleist U・505でも、ポリマー製のマッスルバッジに減衰機能を持たせ、インパクトで生じる周波数をプレーヤーが好む範囲へ導くと説明しています。

この種の材料は、特定の振動を弱めたり、振動が続く時間を短くしたりするのに使えます。その結果、金属だけの薄いフェースで起こりやすい高い音や鋭い振動を抑え、狙った打音・打感へ寄せる設計がしやすくなります。また、軽い材料を空間へ入れることで、金属を使う位置と使わない位置を分け、重心や慣性モーメントの設計余地を作る場合もあります。

ただし、樹脂の有無だけで打感の良し悪しは決まりません。フェース厚、ヘッド形状、素材、接合方法、内部構造、、ボールまで含めて振動と音は変わります。樹脂やエラストマーは、その中の一つの調整手段です。