地面が 締まると、 雨水は なぜ浸透しに くくなるの?
排水・土壌
まず答え
土が締まると粒子同士のすき間、とくに水や空気が通りやすい大きな孔が減り、水の通り道が少なくなるからです。その結果、雨水が地中へ入りにくくなり、表面にたまったり流出したりしやすくなります。
詳しい解説
土壌には、土の粒子そのものだけでなく、その間にある大小の「孔」があります。雨水はこの孔を通って地中へ入ります。地面が踏圧や車両走行などで締め固められると、土粒子がより密に詰まり、特に水や空気の移動に重要な大きな孔が減ります。
米国農務省NRCSは、土壌締固めでは容積密度が高くなり、孔隙、とくに大孔隙が減るため、水と空気の移動が制限されると説明しています。強く締め固められた土壌では、雨水の浸透が低下し、表面流出や水たまりが増えやすくなります。
ゴルフ場でも同じ現象が起こります。USGAは、締固められた土壌表面では水の浸透と下方への移動が低下すると説明しています。実際、White Cliffs Country Clubの事例では、フェアウェイの土壌締固めに関連して浸透不良が生じ、深いタインによるエアレーションを定期的に行うことで浸透性と芝の状態を改善しました。
ただし、締固めだけが浸透不良の原因ではありません。土質、既存の排水層、サッチ、有機物、水をはじく性質、土壌水分などでも浸透は変わります。砂質土と粘土質土では、同じ踏圧を受けても影響の出方が異なることがあります。
そのため現場では、単に『硬いから穴を開ける』と決めず、浸透速度、土壌の硬さや容積密度、土壌水分、根の状態などを確認します。締固めが主因なら、車両・歩行の集中を減らすことや、適切なエアレーションで孔隙を回復させることが対策になります。
要するに、地面が締まると雨水が浸透しにくくなる主な理由は、水の通り道になる孔が減って連続性も悪くなるためです。