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芝35エーカーと散水頭650個を外した パインハーストNo.2の「戻す改修」

GOLF DNA編集部🌐

グリーンを整備するイメージ
3行まとめ
  • 2011年に再開したパインハーストNo.2の復元では、フェアウェイを最大50%広げる一方、35エーカーの灌漑芝と650個の散水頭を外し、砂地やワイヤーグラスを戻した。
  • 「足す改修」とは逆に見える変更を、ドナルド・ロスの設計思想から読む。
  • パインハーストNo.2は、ビル・クーアとベン・クレンショーが率いた約1年の復元を経て、2011年3月に再開した。

35エーカーの灌漑芝を取り除く。散水頭を650個減らす。

パインハーストNo.2の2011年復元では、コースに何かを足すより、かなりのものを取り除いた。一方でフェアウェイは最大50%広げ、20万株を超えるワイヤーグラス(wiregrass)を加えている。

なぜ、こんな改修をしたのか。

パインハースト・リゾートが2019年に公開した回顧記事では、目的をドナルド・ロスが重視した「戦略的な選択肢」と、コース本来の自然・歴史的な姿を取り戻すことだと説明している。

フェアウェイを広げた理由は「選択肢」

パインハーストNo.2は、ビル・クーアとベン・クレンショーが率いた約1年の復元を経て、2011年3月に再開した。

大きな変更の一つがフェアウェイだ。幅を最大50%広げた。公式記事は、この拡幅によってティーからグリーンまで、より多くの戦略的な選択肢が生まれると説明している。

狭くして一つの正解へ寄せるのではなく、どこから次打を打つかという選択肢を増やす。少なくとも公式は、フェアウェイの拡幅をロスの設計思想を取り戻す復元の一部として位置付けている。

35エーカーの芝を、砂と地域の植生へ戻した

復元では、35エーカーの灌漑芝を取り除いた。

その場所に戻したのは、自然の砂、ワイヤーグラス、松葉、在来の草などだ。ワイヤーグラスは20万株を超える。

芝をなくした場所を別の芝で埋めるのではなく、砂や地域の植生が見える区域へ戻したことになる。

その結果が美しいかどうかは好みの話になるが、変更内容そのものは明確だ。復元前より、灌漑して維持する芝の面積を小さくした。

散水頭650個を外し、冬のオーバーシードもやめた

管理設備も同じ方向に変えた。散水頭650個を撤去し、散水方式は中央線沿いを中心とする形へ戻したと公式は説明している。

冬季に別の芝を播いて緑を保つオーバーシードも廃止した。

ただし、ここから「水使用量が何%減った」「維持費がいくら下がった」とまでは言えない。今回の公式資料には、水量や費用の削減効果を示す数値はない。

確認できるのは、35エーカーの灌漑芝と650個の散水頭を減らし、冬のオーバーシードをやめたというところまでだ。

復元なのに、距離は7,214ヤードから7,565ヤードへ

面白いのは、すべてを昔の状態へ戻したわけではないことだ。

13の新しいティーが追加され、バックティーの総距離は7,214ヤードから7,565ヤードへ伸びた。

一方で、フェアウェイの幅や自然地の扱いはロスの考え方へ近づけた。つまり「復元」は、昔の数字を丸ごと再現する作業ではなかった。戻す部分と、新しく加える部分を分けている。

「何を造ったか」だけでは、改修の中身は見えない

パインハーストNo.2の復元を数字で見ると、13の新しいティーを加えながら、35エーカーの灌漑芝、650個の散水頭、冬のオーバーシードは取り除いている。

コース改修を見るとき、新しいバンカーやティー、総距離の変化は分かりやすい。しかし、この事例では「何を撤去したか」も設計の重要な部分だった。

プレーの選択肢を戻すことと、管理する芝や設備の範囲を組み替えることが、同じ復元計画の中で行われている。パインハーストNo.2の改修は、コース設計とコース管理が同じ計画の中で動くことを、具体的な数字で見せている。

出典:pinehurst.com

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