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ハチは82個体から159個体、種類は28から29

GOLF DNA編集部🌐

砂丘のリンクスコースのイメージ
3行まとめ
  • 使わないラフや芝地を野の花へ変えたノースカロライナ州の実地研究では、ハチの個体数は有意に増えた一方、種類数はほぼ変わらなかった。
  • 研究の限界と、800超のゴルフ場へ広がった保全事業の現在地を追う。
  • 研究はノースカロライナ州の管理された芝地6地点で行われた。

ノースカロライナ州の芝地で行われた小さな実地研究では、ハチの個体数が82から159へ増えた。ところが確認された種類は28から29。増えたのは「ハチの数」であって、「ハチの種類」ではなかった。

この差は、ゴルフ場の使わないラフを花畑へ変える話を考えるうえで重要だ。花を増やせば生物多様性も一緒に増える、と一足飛びには言えないからだ。

6地点で野の花を植え、翌年を比べた

研究はノースカロライナ州の管理された芝地6地点で行われた。内訳はゴルフ場4地点と住宅の芝生2地点。2018年を植栽前として調べ、同年10月に日当たりがよく、人の通行が少ない10〜400㎡の区画へ野の花を播種した。翌2019年も、捕虫網やトレー型のわなを使ってハチを調べた。

6地点を合わせた個体数は82から159へ増え、この年による差は統計的にも有意だった。一方、確認された種類数は28から29で、こちらには有意な増加がなかった。

つまりこの研究から言えるのは、「野の花を設けた翌年、ハチの利用が増えた」ということまでだ。多くの新しい種類が住み着いた、とまでは言えない。

花が増えても、種類まで増えるとは限らない

研究者が挙げる条件は、単に花があるかどうかだけではない。花粉や蜜の質、花の面積と種類、開花している期間、営巣場所までの距離、周囲の景観、季節や天候までが関わる。

花が増えた場所へ、すでに周辺にいた種類が多く集まり、同じ種類の個体が増えた可能性もある。新しい種類が加わるには、餌だけでなく巣を作れる場所や周辺環境までそろう必要がある。

研究は6地点を2年間比べた小規模な前後比較で、ゴルフ場だけを無作為に割り付けた試験ではない。82から159への増加を、野の花だけの効果と決める材料ではない。

ゴルフ場で現実に使うなら、場所選びが先に来る

実務では、花畑はプレーの邪魔になりにくい場所へ置かれている。米国のゲーター・クリーク・ゴルフクラブは3年間で約1.2haを、プレーが少ないラフやプレー区域外の池沿い、移行部へ転換した。

その区域では通常の刈り込み、施肥、農薬処理を減らし、約9か月の開花後に刈って播き直す運用をした。管理責任者は予算面をおおむね中立と評価したが、種子や造成には費用がかかる。全コースで管理費が下がるとまでは言えない。

オオカバマダラの生息地づくりでも、地域に合うミルクウィードを選び、定着初年度の除草剤を避け、刈る時期を調整し、周辺での殺虫剤を控えるといった管理が示されている。安全性の改善を共通の数値で示した資料はなく、今回確認できる実務上のポイントは通常のプレー区域から外して設計することだ。

800超のゴルフ場へ広がったが、効果は別に測る

こうした考え方を広げるオーデュボン・インターナショナルの「モナークス・イン・ザ・ラフ」は、2025年10月時点で米国とカナダの800超のゴルフ場、約486haのプレー区域外へ広がった。2026年9月にも事業と参加案内は続いている。

ここで増えたのは参加コースと造成面積である。ハチの種類が増えた、オオカバマダラの個体群が回復した、という結果そのものではない。

ゴルフ場の使わないラフを野の花へ変えると、ハチは増えるのか。今回の研究では、個体数は増えたが種類数はほぼ変わらなかった。そのズレが示すのは、花を植えることだけで話は終わらず、餌、巣、周囲の景観、管理方法まで含めて「どんな生き物が増えるか」が変わるということだ。

出典:onlinelibrary.wiley.comUSGA23auduboninternational.org23

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