五輪のあと、ゴルフ場を誰が守る? リオが選んだ「公共利用+民間運営」の10年
GOLF DNA編集部🇧🇷

3行まとめ
- 2018年、リオ市は五輪ゴルフコースの管理公募で「公共利用」と「商業運営」を同時に条件へ入れた。
- その後も市の高齢者事業や2026年PGA TOUR Americasで使われ、施設は残っただけでなく動き続けた。
- 五輪レガシーの難しさは、造ることより「誰が、何のために、どう維持するか」にある。
オリンピックの施設は、大会が終わった瞬間から難しくなる。
建てるときは「世界最高水準」が目標になる。だが翌年から必要なのは、もっと地味な話だ。誰が芝を刈るのか。誰が水道代を払うのか。一般の人は使えるのか。そして、その費用をどう回収するのか。
リオデジャネイロのオリンピック・ゴルフコースは、その難問をかなり露骨な形で抱えてきた。
2018年7月、リオ市はこのコースの新しい管理主体を公募した。公式公告に並んだ仕事は、スポーツ運営だけではない。保全、修復、維持、改善、運営、商業利用、そして「公共利用」まで含まれていた。
ここが面白い。
公共施設だから全部無料、でもない。民間運営だから会員だけの閉じたクラブ、でもない。行政は「市民が使えること」と「事業として回すこと」を最初から同じ枠に入れていた。
実際、2020年の現地報道では、施設は公共利用の場所として紹介され、一般客が訪れることができた一方、18ホールを回るには料金が必要だった。当時の料金はブラジル人が210レアル、外国人が410レアル。公共性と有料サービスは両立していたわけだ。
その後、コースが使われなくなったわけでもない。
2025年にはリオ市が高齢者向け事業の参加者をコースへ招き、ゴルフ体験と環境学習を実施すると発表した。市の説明では、施設は18ホール、約97万㎡。五輪から9年たっても、競技者だけの場所ではなく、市の事業にも使われていた。
さらに2026年4月には、PGA TOUR Americasのシーズン開幕戦、71回ECP Brazil Openを開催。五輪用に造ったコースが、10年後も国際大会の舞台として機能していたことになる。
ここまでだけなら、「リオの五輪レガシーは成功した」で終わりそうだ。
しかし現実は、そんなにきれいではない。
2025年末から2026年にかけて、リオ市と管理会社CRF Empreendimentosの間で使用許可をめぐる争いが表面化した。市は更新しない方針を取り、CRFは管理継続を求めて司法手続で争った。2026年2月には、裁判所が少なくとも係争中、ゴルフ振興という本来の目的を超える活動や施設変更を広げないよう命じたと報じられている。
つまり、このコースは「放置された五輪施設」にはならなかった。その一方で、「公共利用」「収益確保」「本来目的」の境界をどう引くかという、別の問題が残った。
これは日本のゴルフ場にも意外と近い。
ゴルフ場は広い。維持費がかかる。競技だけでは埋まらない日もある。レストラン、イベント、観光、地域活動など別の収益や用途を入れたくなるのは自然だ。
ただし、何でも入れればいいわけではない。公共性を持つ施設なら、どこまでが運営の工夫で、どこからが目的の変更なのかを決める必要がある。
リオの10年を見ると、五輪レガシーの本当の勝負は開場日ではないことが分かる。
コースを造るのは一度でいい。だが、公共性、収益、用途の線引きは毎年やり直さなければならない。
五輪が残した18ホールより難しいのは、その18ホールを「誰のための場所として残すか」を決め続けることなのかもしれない。
出典:rio.rj.gov.br / istoe.com.br / prefeitura.rio / PGA TOUR / conjur.jumps.com.br / tribunadosertao.com.br
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3行まとめ
- 2018年に閉鎖したWest Palm Beachの市営ゴルフ場は、土地を売らず、非営利財団へ50年賃貸する形で再生した。
- 130人超の寄付者から5,500万ドル超を集め、2023年にThe Parkとして再開。
- 2026年現在も市は「Municipal Golf Course」と位置付ける。