Pro V1はタイでも作っている 米国工場と「同じ工程」を掲げるBall Plant 4
GOLF DNA編集部🇹🇭

3行まとめ
- Pro V1とPro V1xは、米国だけでなくタイのBall Plant 4でも作られている。
- 同工場は2010年、アジア・欧州向けの製造・流通拠点として開業し、初年度100万ダースを計画した。
- Titleistは米国Ball Plant 3と同じ製造・品質保証工程を使うと説明し、2026年現在もタイ工場を公式拠点として掲載している。
Pro V1と聞くと、米国マサチューセッツ州の工場を思い浮かべる人は多いかもしれない。
ところがTitleist自身は、Pro V1とPro V1xを米国のBall Plant 3だけでなく、タイのBall Plant 4でも製造していると明記している。
しかもタイ工場は、最近になって追加された海外拠点ではない。開業は2010年。最初からアジアだけでなく、欧州も視野に入れた製造・流通拠点として計画されていた。
2010年、タイに「第4工場」が開いた
Ball Plant 4が開業したのは2010年12月。場所はタイ東部ラヨーン県の工業団地だった。
当時の工業団地運営会社の発表では、新工場はゴルフボールの製造と、アジア・欧州市場への流通を担う地域拠点として位置づけられていた。
初年度の生産計画は100万ダース。個数に直せば1200万個になる。
ただし、これは開業時に示された「計画」であって、実際に初年度へ100万ダース出荷したことを示す実績値ではない。さらに、アジアや欧州で販売されるTitleistボールがすべてタイ製だったという意味でもない。
それでも興味深いのは、タイ工場が単なる小規模な補助拠点として始まったわけではなく、当初から世界供給の一部を担う前提で作られていたことだ。
Pro V1もタイで作られている
さらにTitleistは2021年、Pro V1の製造工程を紹介する公式資料の中で、Pro V1とPro V1xを米国ニューベッドフォードのBall Plant 3と、タイのBall Plant 4の両方で製造していると説明した。
ここで重要なのは、製造場所だけではない。
同社は、両工場で使う「製造工程」と「品質保証工程」は同じだとしている。
もちろん、これはメーカー自身による説明であり、米国製とタイ製を独立機関が全数比較した試験結果ではない。ただ、「タイ製だから別の配合・別の品質基準で作っている」と考える根拠にはならない。
少なくともTitleistが公式に示している設計は、工場が違っても同じ工程と品質管理でPro V1、Pro V1xを作るというものだ。
なぜ米国ブランドがタイでも作るのか
Ball Plant 4の開業時資料を見ると、その答えはかなり分かりやすい。
狙いは、成長するアジア市場への供給と、欧州市場まで含めた地域拠点化だった。
ゴルフボールは、クラブのように一度買えば何年も使う商品ではない。ラウンドのたびに失くし、傷み、継続的に買い足される。世界規模で売れるブランドほど、安定して大量に作り、各地域へ運ぶ仕組みが必要になる。
だからBall Plant 4を見ると、「米国ブランドなのにタイ製」という話より、「世界で同じボールを売るために製造拠点を複数持つ」という供給網の話として見た方が実態に近い。
なお、今回確認できた資料だけでは、日本で販売されるPro V1のうち何%がタイ製なのか、現在Ball Plant 4が年間何個を生産しているのかまでは分からない。そこは推測しない方がいい。
2026年現在も、公式拠点として残っている
開業から15年以上がたった2026年9月現在、Titleistの公式連絡先ページにはBall Plant 4として、タイ・ラヨーンの工場が掲載されている。
つまり2010年の一時的な増産拠点だったわけではなく、現在もTitleistのゴルフボール製造網を構成する正式な施設として扱われている。
Pro V1の箱に「Thailand」と書かれていても、それだけで米国製より上か下かを判断する材料にはならない。
むしろ面白いのは、世界的な定番ボールの裏側に、米国マサチューセッツとタイ・ラヨーンをまたぐ製造体制があることだ。
ゴルフボールは見た目が同じだから、どこで作られたかを意識する機会は少ない。
しかし、その小さな白い球を追って工場までたどると、Pro V1が「米国で作られた世界商品」ではなく、「複数の自社工場で世界へ供給する商品」であることが見えてくる。
出典:wha-industrialestate.com / Titleist(2)
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Pro V1に販売差し止め。それでもブランドが止まらなかった理由
3行まとめ
- 2008年、米連邦地裁は旧2007年型Pro V1/Pro V1xに2009年1月1日からの販売差し止めを命じた。
- しかしアクシネットは発効前に配合を変え、交換制度と新モデル投入でブランドを継続。
- 翌年には控訴審が差し止めを失効させた。