47人が新球へ一斉乗り換え、しかも優勝! Pro V1「解禁初週」のラスベガス
GOLF DNA編集部🇺🇸
3行まとめ
- 2000年のラスベガスで、47人のプロが競技解禁初週のPro V1に乗り換えた。
- その一人、ビリー・アンドレードが5日間を28アンダーで制した。
- 翌春にはツアーの約9割がソリッドコア球を使用。
47人が同じ週にボールを替えた。しかも、その中の一人が優勝してしまった。2000年10月のラスベガス。Pro V1がPGAツアーで初めて競技使用できるようになった週の出来事だ。
ボールは、プロにとって最も替えにくい道具の一つ。ドライバーの飛距離だけでなく、100ヤード以内のスピン、グリーン周りの打感、パターの距離感まで変わる。それでも47人が初週に動いた。なぜか。
実は「いきなり」ではなかった
舞台は10月11〜15日のインベンシス・クラシック。タイトリストの公式回顧によれば、Pro V1はその秋に競技で使える球のリストに入り、この大会がPGAツアーでのデビュー戦となった。メーカーは47人の変更を、1大会で起きた用具変更として史上最大規模と位置づける。
ただし、選手が当日初めて見て飛びついたわけではない。同社はその夏、後に「100-Man March」と呼ぶ実戦テストを実施。PGAツアーやLPGAツアーの練習ラウンドに同行し、約100人の選手に新球と普段の球を打ち比べてもらった。試合前から、現場で手応えを確かめていたのだ。
予選落ち続きの一人が、優勝者になった
乗り換えた47人には、ビリー・アンドレードもいた。タイトリストによると、当時36歳のアンドレードはその年28試合で18回予選落ち。練習ラウンドで新球を試し、大会で使うと決めた。
その週のスコアは67、67、63、67、68。5日間90ホールを28アンダーで回り、1打差で優勝した。同時代のUPI報道も通算332、28アンダーの勝利を記録している。
もちろん、ボールを替えたから勝ったとまでは言えない。ただ「初週に47人が変更」のニュースに、優勝者まで出た。新球への関心が一気に高まるには、これ以上ない展開だった。
変わったのはPro V1だけではない
初代Pro V1はソリッドコア、多層構造、ウレタンカバーを組み合わせ、飛距離と打感、ショートゲーム性能の両立を狙った。従来の巻き糸構造から、ツアーのボール選びが大きく動く時期だった。
『Golf Digest』の用具史によれば、2001年3月にはツアー選手の約9割がソリッドコア球を使っていた。これは「9割がPro V1」という意味ではない。Pro V1の登場を象徴的な転機に、球の構造そのものが変わっていった、という数字だ。
タイトリストによると、Pro V1の一般販売は2000年12月下旬に予定より4カ月前倒しで始まり、翌年3月には市場で最も売れるボールになった。だが、この話でいちばん鮮烈なのは売り上げより「47人」。長年の距離感を託す道具を、プロたちが同じ週に替えた。その速さが、ラスベガスで始まった変化の大きさを物語っている。
出典:Titleist / upi.com / Golf Digest
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