437億円負債から本間ゴルフはどう戻った
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 世界売上高約341億円のピークから、負債約437億円を抱え民事再生へ。
- 本間ゴルフは何を誤り、買収後に商品・市場・販売網をどう組み替えたのか。
- 2016年の香港上場から2026年の黒字転換まで、会社資料でたどる。
1997年、本間ゴルフの世界売上高は約341億円でピークを迎えた。ところが8年後の2005年、会社は約437億円の負債を抱えて民事再生を申し立てる。名門ブランドの転落は、「パーシモンからメタルウッドへの対応が遅れた」という一言だけでは説明できない。
2016年の香港上場目論見書で、本間ゴルフ自身が悪化要因を並べている。ゴルフ場や不動産への投資、固定資産を担保にした借入、その担保価値の低下、売上高と市場シェアの低下。そして、パーシモンからメタルウッドへの移行の遅れだ。技術転換、投資、借入、資産価格、販売不振が重なった結果だった。
2005年7月にはジャスダック上場を廃止。2006年7月、裁判所が民事再生の完了を承認した。そこから会社の所有者も変わる。
2010年6月、劉建国氏側とクリエイト・ファンドが本間ゴルフ日本法人の85%を取得した。2011年8月には本間上海が残る15%を取得。さらにクリエイト・ファンドの持分が買い取られ、2012年6月には劉氏が100%オーナーとなった。
ここだけを見ると「中国資本に買われて復活した」という話に見える。だが、会社資料に残る再建策はもっと具体的だ。
本間ゴルフは再建を「維持・回復・再発明」の3本柱で説明した。日本の既存経営陣と職人を残しながら販促投資を増やし、商品群を広げた。2013年のツアーワールド、2015年のG1X、2016年のビジール、BERES 05など、技能や価格帯の異なる層へ商品を展開。アパレルやボールも拡充した。
販売の組み替えも大きい。韓国を重点成長市場とし、専属販売業者やフィッティング拠点を整備した。日本で本間ゴルフを扱う大型スポーツ店は、2014年3月末の340店から2016年3月末には625店へ増加。直営店も65店から86店へ増えた。
興味深いのは、直営を増やしながら販売業者経由の売上比率も56.8%から62.7%へ上がったことだ。再建は高級店への一本化ではなく、商品と地域と販売経路を同時に広げる形だった。
数字にも変化が出た。売上高は2014年3月期の157.135億円から、2015年185.251億円、2016年223.688億円へ増加した。2016年3月期の純利益は35.645億円、純利益率は15.9%。同年の売上構成は日本53.2%、韓国12.6%、中国・香港・マカオ18.7%、北米3.5%、欧州3.0%、その他9.0%で、日本以外が46.8%を占めた。
会社は増収要因として、商品群の拡大、特定地域への浸透、販売経路の拡大を挙げている。ただ、どの施策が何%効いたかまでは示していない。所有者交代、高級ブランド、海外展開のどれか一つを「復活の原因」と決めることはできない。
2016年には香港上場へ進んだが、その後ずっと右肩上がりだったわけでもない。2025年3月期は売上高216.721億円、純損失2.642億円。会社発表による2026年3月期は売上高222.597億円と前年比2.7%増え、純利益11.198億円へ黒字転換した。
つまり2026年現在の本間ゴルフは、437億円の負債から事業を組み直し、再び利益を出すところまで戻っている。ただし、2025年には赤字も経験している。破綻からの再建は一度の買収で完了した物語ではなく、商品、販路、市場を組み替え続けながら、今も業績の波と向き合う過程にある。
出典:hkexnews.hk(2) / honmagolf.com(2・3) / bizhub.vietnamnews.vn
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