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52例中49例で98%超減った医薬品

GOLF DNA編集部🇺🇸

山に囲まれたゴルフコースのイメージ
3行まとめ
  • 米国南西部の4ゴルフ場を2年間追った研究では、再生水に含まれる13の医薬品成分について、芝と土壌を通った後の質量流束が52ケース中49ケースで98%以上低下した。
  • だが、これは「芝が医薬品を浄化した」「地下水が安全になった」という意味ではない。
  • 数字が示す範囲と2026年時点の限界を追う。

再生水でゴルフ場へ散水すると、その水に残る微量の医薬品成分はどこへ行くのか。

2014年に公表された実地研究は、この問いを米国南西部の現役ゴルフ場4コースで2年間追った。対象は再生水で灌水するフェアウェイ。1コースはネバダ州、3コースはカリフォルニア州で、土壌も細砂質ローム、粘土、シルト質ローム、細砂と異なっていた。

調べたのは13種類の医薬品成分だ。灌水に使う再生水では、ほぼすべての試料から少なくとも1成分が検出された。

では、その水が芝と土を通るとどうなるのか。

52ケース中49ケースで98%以上低下した

研究では、灌水側の水量と成分濃度から「入ってくる質量流束」を、根域下へ抜ける水量と濃度から「出ていく質量流束」を計算した。ここで見ているのは濃度だけではない。濃度に通過した水量を組み合わせ、面積当たりでどれだけの成分が移動したかを比べている。

13成分×4コースの52ケースを見ると、22ケースは実質100%低下、27ケースは98〜100%低下。残る3ケースも73〜94%の低下だった。

つまり、52ケース中49ケースで、芝と土壌を通過した後の質量流束は98%以上小さくなった。

例外側では、カルバマゼピンがあるコースで73.5%、別のコースで94.0%、ジクロフェナクが75.6%だった。大きく減ったという全体像の中にも、成分とコースによる差がある。

74試料を、流れが出た時に追った

調査では合計74の水試料を分析した。内訳は根域下の排水計から40、灌水源から20、井戸から7、装飾池から7。井戸と装飾池の試料はネバダ州の1コースに限られる。

各コースには排水計を3か所設け、約60センチの土壌を通る水の移動を追った。採水は毎週のような固定日程ではなく、水の流れが得られる状況に応じた不定期だった。

この設計だからこそ、「再生水の濃度が低くなった」という話と、「根域下へ向かう成分の総量が減った」という話を分けて読む必要がある。

何が医薬品を減らしたかは、一つに決められない

では、98%以上という低下は芝が成分を分解した結果なのか。

そこまでは分かっていない。

研究は、土への吸着、根域での滞留、微生物などによる分解といった可能性を論じているが、それぞれが何%を担ったかを直接分離して測ったわけではない。

だから「芝が医薬品を分解した」と一つの仕組みに決めることはできない。まして、対象外の化学物質や分解後に生じる物質、数年以上にわたる土壌への蓄積まで安全だと示した研究でもない。著者自身、地下水へ向かう流束を評価するには、より長期の監視が必要だとしている。

2026年でも再生水利用は続いている

この研究が古いから、今は関係がないわけでもない。

2024年の総説がまとめた2020年の米国調査では、ゴルフ場の灌水量に占める再生水の割合は全国平均で21%、南西部では34%だった。2026年4月には米環境保護庁が水再利用の行動計画を更新しており、水を再利用する流れ自体は現在も続いている。

一方、カリフォルニア州の水当局は医薬品やパーソナルケア製品を、再生水にも関係する新興汚染物質の例として扱っている。現行の再生水利用規則も、井戸との距離、流出管理、公衆が散水へさらされないための条件などを設けている。

つまり、2014年の研究結果がそのまま「現在の再生水は安全」という認証になったわけではない。

ゴルフ場は「消費先」だけではなかった

4コース・2年という範囲で確認できたのは、再生水中の医薬品成分が芝と土壌を通る過程で、根域下へ向かう質量流束を大きく減らしたという事実だ。

似た条件では、芝・土壌系が地下へ向かう負荷を小さくする働きを期待できる。ただし、2015〜2026年に同じ設計を独立して大規模に再現した研究は、今回確認された資料にはない。全物質、全土壌、長期間へ広げて「浄化装置」と呼ぶには証拠が足りない。

ゴルフ場は大量の水を使う場所であると同時に、再生水を受け止め、その中の一部成分の移動を大きく弱める芝と土壌の層でもあった。52ケース中49ケースで98%以上という数字が示したのは、万能な浄化能力ではなく、その働きを実地で無視できないほど大きく観測したということだ。

出典:acsess.onlinelibrary.wiley.compubmed.ncbi.nlm.nih.govresearchgate.netdoi.orgepa.govwaterboards.ca.govlaw.cornell.edu

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