男子全米の4日後に女子全米を開催
GOLF DNA編集部🇺🇸

3行まとめ
- 2014年、パインハーストNo.2では男子の全米オープン終了から4日後に女子の全米オープンが始まった。
- 距離やホール位置、硬さを調整しながら、グリーン速度やフェアウェイ、バンカーの基本設定を揃えた。
- 男女連続開催は2029年の同会場、2036年のシネコック・ヒルズでも予定されているが、2029年は女子→男子の順になる。
2014年6月15日、パインハーストNo.2で男子の全米オープンが終了した。次の全米オープンは、別のコースでも翌月でもない。
4日後の6月19日、同じパインハーストNo.2で全米女子オープンが始まった。全米ゴルフ協会にとって、同じコースで男女の全米オープンを2週連続で開く初めての試みだった。
難しいのは、会場をそのまま使えばいいわけではないことだ。男子大会で4日間使った直後のコースを整えながら、女子の飛距離やショットに合わせて競技設定を変えなければならない。2014年の資料を見ると、その答えは「残す部分と動かす部分を分ける」ことだった。
女子大会で変えたのは主に距離とホール位置
全米ゴルフ協会は後年、女子大会の設定を、ヤーデージとホールロケーションの調整を除けば男子大会と「実質的に同じ」と振り返っている。
女子大会の最大ヤーデージは6649ヤード。グリーン速度は男子大会と同じ12フィート台中盤から後半の水準を維持した。フェアウェイの刈高も同じ、バンカーの整備方法も同じだった。
一方、カップ位置は多くのホールで男子大会の位置から1〜2歩ほど動かした。コースの硬さも、女子選手のショットに対して男子大会と同じような反応になるよう調整した。
つまり「同じコース」といっても、男女にまったく同じ距離や位置を強いたわけではない。コースの性格を残しながら、選手層に合わせて必要な部分だけを動かした。
男子大会終了後、グリーンに12分散水
2大会の間に使える時間は短い。女子大会直前の会見記録では、男子大会終了後、各グリーンに4分間の散水を3回行い、合計12分水を入れたことが説明されている。
確認できる調整は、水分と硬さ、ホール位置、距離だ。フェアウェイの刈高とバンカー整備は男子大会の設定を引き継いだ。
この運営を支えた背景には、改修後のパインハーストNo.2の管理構造もあった。大会前の全米ゴルフ協会資料では、芝地は約90エーカーから50エーカーへ、散水設備のヘッド数は1100基から450基へ減り、水使用量も約70%減ったとされる。刈高は2種類に絞られ、コース所属スタッフ30人に加えてパインハーストの他コースから約100人が応援に入った。
では、2週連続の方が安かったのか。女子大会直前の会見で全米ゴルフ協会は、2大会を一つの予算として扱い、一部では規模の経済がある一方、追加費用が生じる部分もあり、合計では別々に開催した場合と「ほぼ同程度」になる見込みだと説明している。正確な最終額はその時点で未確定だった。
そのため、「安かったから将来も再採用された」とまでは言えない。今回確認した一次資料でも、2014年の最終的な費用削減額や商業収益を根拠に、2029年や2036年の再採用理由を説明する材料は確認できない。
15年後、同じ場所で再びやる
それでも、この方式は2014年だけで終わらなかった。
2029年、パインハーストNo.2では再び男女の全米オープンを連続開催する予定だ。2026年の全米ゴルフ協会資料では、全米女子オープンが6月7〜10日、男子の全米オープンが6月14〜17日。2014年の「男子→女子」とは逆に、2029年は「女子→男子」の順になる。
さらに2036年には、シネコック・ヒルズで同方式を採用する予定になっている。全米ゴルフ協会はこれを2014年、2029年のパインハーストに続く3回目と位置づけており、パインハースト以外では初めてになる。
2036年の発表で全米ゴルフ協会が挙げたのは、歴史的な会場を男女双方の最高峰選手権の舞台にし、ファンが同じコースで世界最高峰の男女を2週続けて見られる機会を作ることだった。
2029年や2036年の最終的なコース設定は、まだ将来の競技運営判断で変わり得る。2014年と完全に同じ方法になると決まったわけではない。
それでも、2014年に初めて行われた「同じコースを短期間で男女へ引き継ぐ」という開催形式は、2029年に同じ場所で順序を逆にして再演され、2036年には別の名門コースへ広がる予定だ。
2014年に成立させた鍵は、コースを別物に変えることではなかった。グリーン速度、フェアウェイ、バンカーといった骨格を残し、距離、ホール位置、水分と硬さを調整する。その4日間の切り替え方が、男女2週連続という珍しい大会形式を現実のものにした。
出典:USGA(2・3・4・5・6・7・8・9) / golfnewsstoriesonline.com
関連記事
世界1位アマがランキング圏外へ カントレーをつないだ「10試合」
3行まとめ
- 世界アマ1位を計55週守ったパトリック・カントレーは、腰の疲労骨折で長期離脱し、2017年の復帰時には世界ランキング圏外だった。
- PGA TOURの医療特例で与えられたのは10試合。
- 復帰2戦目のバルスパー選手権で単独2位、68万400ドルを稼ぎ、資格条件を一気に満たした。