約14インチの優勝パットを外したI.K.キム 翌年の言葉と5年後の初メジャー
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 2012年クラフト・ナビスコ選手権で約14インチの優勝パットを外したI.K.キム。
- 翌年、本人は失敗そのものより「その後どうするか」を重視する姿勢を語った。
- 2016年の勝利復帰、2017年の2勝を経て、同年のリコー女子英国オープンで初メジャー。
2012年クラフト・ナビスコ選手権の72ホール目。I.K.キムには、決めれば優勝という短いパーパットが残っていた。
後年の本人取材やUSGAの回顧では、その距離は約14インチと伝えられている。キムはこれを外し、ユ・ソンヨンとのプレーオフへ。最初の延長ホールでユがバーディーを奪い、タイトルはキムの手から離れた。
約14インチという数字は、2013年の復帰取材と2017年のUSGA公式回顧で一致している。ただ、今回確認できた資料では、2012年大会当日の公式記録に直接計測値として記されたものではない。だから「公式に14インチと測られたパット」ではなく、後続資料で一貫して伝えられている距離として見るのが正確だ。
翌年、キムが語ったのは「忘れること」ではなかった
2013年、同じ大会へ戻ったキムは、前年の失敗について質問を受けた。
そこで示した考え方は、出来事そのものにとどまり続けるものではなかった。何が起きたかより、その後にどうするかが重要だという趣旨を語り、失敗の記憶の中で生き続けたくはないと説明している。
これは「もう完全に克服した」という宣言とは少し違う。むしろ、起きたことを消すのではなく、その後の行動へ視線を移そうとしていた。
そして競技記録を見ると、2012年から2017年までの5年間は、失敗から一直線にメジャー制覇へ向かった物語でもない。
勝利が戻ったのは2016年だった
2014年8月時点の同時代報道では、キムのLPGAでの最後の勝利は2010年だった。
再びLPGAの優勝者になったのは2016年10月のレインウッドLPGAクラシック。2012年のあの1打から4年以上が過ぎていた。
ただし、この勝利空白を2012年のミスの結果と決めつける根拠はない。確認できるのは、競技成績として勝利が途切れ、その後2016年に勝ち直したという時間の流れまでだ。
2017年に入ると流れはさらに変わる。6月4日にショップライトLPGAクラシックで通算5勝目。7月23日のマラソン・クラシックでは、その年2勝目を挙げた。
つまり、初メジャーは突然起きた「一発の復活」ではなかった。すでにそのシーズンに2度勝った状態で、キムは8月のリコー女子英国オープンへ入っていた。
6打差の首位から、最後は2打差で初メジャー
最終日を迎えた時点で、キムのリードは6打だった。
最終ラウンドは71。通算270、18アンダーでホールアウトした。ジョディ・エワート・シャドフは最終日に64を出して追い上げたが、キムが2打差で逃げ切った。
これがキムにとって初めてのメジャータイトルになった。
2012年の約14インチから5年。結果だけを並べれば、「痛恨の失敗を乗り越え、ついにメジャーを勝った」という物語にまとめたくなる。
だが、本人の言葉はもう少し具体的だ。
2017年の優勝後、キムは2012年を乗り越えるまでが長い過程だったと振り返り、その経験から、短いパットを含めてすべてのショットに同じ努力を向けることを学んだと説明した。
ここには、2012年の経験から得た学びがある。一方で、「あの失敗があったから2017年に勝てた」と因果関係まで証明できる材料はない。
5年間で変わったのは、過去の事実ではなく「その後」だった
2012年のパットは外れたままだ。結果が書き換わることはない。
翌年、キムは「その後どうするか」へ視線を向けた。競技では長い勝利空白を経て2016年に再び勝ち、2017年にはメジャー前に2勝。そして8月、6打差の首位を守って初メジャーを手にした。
この5年間を事実で追うと、単純な「失敗が成功を生んだ」という美談よりも、ひとつの失敗と、その後に積み重なった競技結果を分けて見る方が実像に近い。
キム自身が語ったのも、失敗を消す方法ではなかった。起きたことの後で、どうプレーを続けるかだった。
出典:golfchannel.com(2・3) / LPGA(2・3・4・5) / espn.com / USGA
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