豪雨で金曜全休、それでも72ホール完遂 初代ZOZOが無観客再開・短縮ホール・月曜延長を選んだ順序
GOLF DNA編集部🇯🇵

3行まとめ
- 2019年の初代ZOZOチャンピオンシップは、会場で金曜に6インチ超の雨を記録し第2ラウンドを全休。
- それでも土曜は無観客で再開し、バンカー復旧、10番の大幅短縮、プリファードライを組み合わせ、月曜まで延長して72ホールを完遂した。
- 「観客を入れるか」「18ホールを使えるか」「72ホールを続けるか」を分けて判断した運営の順序を追う。
2019年10月、千葉のアコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブで始まった初代ZOZOチャンピオンシップは、いきなり大会運営の難題に直面した。
金曜に会場で記録された雨量は6インチ超。第2ラウンドはその日には行えず、丸一日競技が消えた。
後日の米男子ツアーの記事には大会週を振り返って「10インチ」という表現もある。ただ、同じ測定地点・同じ時間幅の数字とは確認できない。豪雨の規模を見る基準として確実なのは、金曜に会場で記録された6インチ超だ。
この大会で面白いのは、その後に「何を守り、何を変えたか」である。単純に翌日へ1日ずらしたのではない。観客の安全、18ホールの競技可否、コース条件、72ホールを完遂するかという判断を別々に積み上げていった。
土曜は競技を再開、観客は入れなかった
第2ラウンドは土曜10時に再開した。ただし、観客は入れなかった。米男子ツアーの公式発表は、安全上の理由で無観客としたことを明記している。
ここで「競技ができるなら観客も入れられる」とは判断しなかった。
コースではバンカーの復旧が進められ、その後に競技担当スタッフが18ホールをプレーできるかを評価した。つまり、観客を受け入れる安全判断と、選手が競技できるかという判断は分けて扱われた。
競技条件も通常どおりには戻さなかった。第2ラウンドでは冠水の影響を受けた10番パー4を大幅に短縮し、プリファードライを採用した。さらに第3ラウンドでも、10番だけはプリファードライが続いた。豪雨後に競技を成立させるため、コース復旧だけでなく、ホール設定とライの扱いまで段階的に調整した。
72ホールを捨てず、月曜まで使うと決めた
もう一つの判断が、大会を54ホールなどへ縮めるのではなく、月曜まで延長して72ホールを完遂することだった。
米男子ツアーは金曜の公式発表で、PGA TOURの規定に基づく大会側の判断として月曜まで競技を行う方針を示した。公式発表は規定の条項番号までは示していないが、少なくとも金曜の時点で「1日失ったから短縮する」のではなく、使える日程を延ばして72ホールを成立させる方向が決まっていた。
重要なのは、この判断がコースを完全に元通りへ戻すことと同義ではなかった点だ。バンカーを復旧し、18ホールのプレー可否を確認し、第2ラウンドでは10番を大幅短縮してプリファードライを採用する。第3ラウンドでも10番だけはプリファードライを継続し、そのうえで競技日程そのものは月曜へ伸ばした。
「通常どおりに戻るまで待つ」でも、「すぐ短縮競技にする」でもなく、変えられる条件を変えながら72ホールを残した。
日曜だけでは終わらず、46人が月曜へ
日曜は午前6時30分に第3ラウンドを開始。タイガー・ウッズは午後1時12分に第3ラウンドを終え、午後2時から最終ラウンドが始まった。
しかし午後4時40分、日没で競技は中断。46人がコース上に残り、決着は月曜へ持ち越された。月曜は午前7時30分に再開し、ウッズは残り7ホール、松山英樹は残り6ホールをプレーした。
米男子ツアー公式記事は、ウッズが月曜朝に残り7ホールを終えて優勝したことを確認している。競技終了の正確な分単位は公式記事に記載がなく、同日現地のゴルフ記者レポートでは午前9時38分に終了したとされている。
最終結果はウッズが261、19アンダー。松山に3打差をつけ、米男子ツアー通算82勝目となった。
ただし、82勝目が大会を月曜まで続けた理由だったわけではない。運営側の判断は金曜の段階ですでに示されており、ウッズの記録は、その72ホールを成立させた先に生まれた最終結果だ。
初代ZOZOが守ったのは「通常運営」ではなく「72ホール」だった
初代ZOZOが豪雨後にやったことを順番に並べると、構造が見える。
金曜は競技を止める。土曜は観客を入れずに競技を再開する。コースは復旧しつつ、第2ラウンドでは10番の短縮とプリファードライで条件を調整し、第3ラウンドも10番だけはプリファードライを続ける。そして競技全体は月曜まで延ばし、72ホールを完遂する。
守ったのは、金曜まで想定していた通常の大会運営ではない。観客の安全、コースのプレー可否、競技条件、日程を一つずつ切り分け、変えるべきものは変えながら72ホールという大会の骨格を残した。
金曜を丸ごと失った初開催大会が月曜朝までに72ホールを終えられたのは、ひとつの大胆な決断があったからではない。安全と競技を同じ判断にせず、復旧とルール調整と日程延長を順番に組み合わせた結果だった。
出典:PGA TOUR(2・3・4) / hanzo.co.jp / pgatourmedia.pgatourhq.com
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