午前4時の露取りはなぜ効いた 芝病害を左右した「濡れている時間」
GOLF DNA編集部🇺🇸

3行まとめ
- 2004〜2005年の試験では、午前4時の露取りが午前10時や午後10時よりドルスポットを抑えた。
- 鍵は葉が連続して濡れている時間を早く断つこと。
- 毎日の露取りは薬剤による管理を補助する結果も出た。
朝一番のゴルフ場で、スタッフがフェアウェイやグリーンの露を払っている。プレーヤーから見れば、球や靴を濡らさないための作業に見えるかもしれない。
ところが芝の管理では、もっと大きな意味がある。
2004〜2005年に米国で行われた試験では、同じ露取りでも午前4時、午前10時、午後10時で結果が変わった。最もドルスポットが少なかったのは午前4時だった。
午前4時、10時、午後10時を比べた
対象は刈高16mmのクリーピングベントグラス。研究チームは露を取る時刻を午前4時、午前10時、午後10時に分け、毎日行う場合と隔日で行う場合などを比較した。
結果は、午前4時の処理でドルスポットの発生が最も少なかった。さらに午後10時の処理も午前10時より発生が少なかった。
「朝なら何時でも同じ」ではなかったわけだ。
病気が見ていたのは「何時間、濡れ続けたか」
同じ研究では、葉を6時間、12時間、18時間と連続して濡らす実験も行った。
湿っている時間が長くなるほど病斑は大きくなり、6時間続いたところで葉面の水分をいったん断つ処理が、病斑を小さくするうえで特に有効だった。
つまり午前4時が効いた理由として重要なのは「4」という数字ではない。夜にできた露を朝遅くまで残さず、連続した湿潤時間を途中で切ったことだ。
毎日の露取りは薬剤管理も助けた
2009〜2010年の別の試験では、毎日の露取りと複数の薬剤、異なる刈り込み頻度を組み合わせた。
毎日露を取った区画では、複数の条件でドルスポットの感染中心が増える速度が遅くなった。研究上の比較基準である15感染中心に達するまでの日数も延び、条件によっては10日延びた例があった。
ただし、この15という数字は研究内の比較用で、ゴルフ場共通の散布基準ではない。延長幅も薬剤、刈り込み頻度、年によって違った。
重要なのは、露取りが薬剤の代わりになったのではなく、病気が広がりにくい環境を作ることで管理全体を補助した点だ。
後続研究では、どこでも同じではなかった
2021〜2022年には米4州の複数地点で、露取りを含む管理方法が比較された。
早い時間に露を取った複数地点ではドルスポットが減った一方、効果は地点、年、芝種で変わった。2025年に公表された論文では、午前7時より前に露取りした地点で抑制が強い傾向が示されたが、遅い時間帯の地点では明確な効果が出ない条件もあった。
だから「午前4時にやれば必ず病気が減る」とは言えない。気温、湿度、露の量、芝種、病害圧、作業方法が違えば結果も変わる。
朝の露取りは、ただの掃除ではない
プレーヤーにとって露は、ボールや靴を濡らすものだ。
管理する側から見ると、それは葉が何時間濡れ続けているかという時間の問題でもある。
露を早く取る。たったそれだけの作業が、連続した湿潤時間を断ち、病害管理を助ける可能性がある。一方で、病気が出やすい条件では露取りだけで十分な水準に届くとは限らない。
朝早くコースで露を払っている光景は、単なる掃除ではない。芝にとっての長い夜を、途中で切っているのである。
出典:acsess.onlinelibrary.wiley.com / apsjournals.apsnet.org / onlinelibrary.wiley.com
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