4人組で約7分40秒 グリーンを1フィート速くした「時間コスト」
GOLF DNA編集部🇺🇸

3行まとめ
- 米国7施設・2200人超をGPSで追った実地研究では、グリーン速度が1フィート上がると、1人が1グリーンで過ごす時間は平均6.39秒増えた。
- 4人組×18ホールに単純換算すると約7分40秒。
- しかもプレー体験の評価も小さいながら低下した。
速いグリーンに立つと、少しだけ背筋が伸びる。下りの1メートルが急に怖くなり、普段なら迷わない返しのパットにも神経を使う。
では、その「速さ」はラウンド全体で何分を奪うのか。
米国で行われた実地研究は、かなり具体的な数字を出している。グリーン速度をスティンプメーターで1フィート上げると、1人が1グリーンで過ごす時間は平均6.39秒長くなった。4人組で18ホールなら、単純計算で約7分40秒になる。
7分40秒は、1打の遅さではなく積み重ね
研究は米国の7施設で行われ、2200人を超えるゴルファーから、約4万件の「グリーン上にいた時間」を集めた。参加者は小型GPSを身につけ、位置や経過時間を記録した。
面白いのは、単に速いコースと遅いコースを比べたのではないことだ。各施設で3週間、グリーン速度を8フィート、9フィート、10フィートへ1フィートずつ変えている。
その結果、1フィート速くなるごとに、1人・1グリーン当たりの滞在時間は平均6.39秒増えた。
6.39秒だけなら誤差のように見える。だが、18グリーン、4人分を積み上げると約460秒。7分40秒ほどになる。
スロープレーというと、構えるのが長い人や前組との間隔ばかりが話題になる。しかし、コース設定そのものが数分単位の遅れを作る可能性もある。
速いほど「楽しい」とも限らなかった
さらに研究では、ラウンド後のアンケートでグリーンが速くなるほどプレー体験の評価が低下した。統計的には差が確認されたが、研究者自身が「効果は小さい」としている。
ここは大げさに読むべきではない。公開資料では、満足度の尺度や効果量、信頼区間などの詳細までは確認できない。
同じように「1フィート=必ず7分40秒遅くなる」と全国のコースへそのまま当てはめることもできない。実際に操作された速度は8〜10フィートで、傾斜、風、混雑、プレーヤーの技量など、ラウンド時間にはほかの要因も多い。
それでも、「速さを上げても時間への影響はゼロではない」と実際のコースで確かめた意味は大きい。
「速いグリーン」が品質の単独指標ではない理由
R&Aのプレー進行に関する手引きも、速ければ速いほど良いとはしていない。グリーンは単純な速度より、滑らかで正しく転がることの方が重要だと説明している。適切な速さは、傾斜や風、プレーヤーの技量によって変わる。
さらにR&Aの手引きには、全英オープンでもスティンプメーターの最大目標は10.5フィートで、強風が予想されるときはそれよりかなり下げるとある。
世界最高峰の大会ですら、「とにかく速く」は採用していない。
速いグリーンには独特の緊張感があり、それ自体がゴルフの面白さでもある。ただ、速さを品質そのものと考えると話が変わる。
1フィートの違いは、ボールの転がりだけでなく、組全体の時計にも効いてくる。いいグリーンを考えるとき、速さの数字だけを見るのは少しもったいない。
出典:USGA / University of Minnesota Turfgrass(2) / The R&A(2)
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