研究の「初心者」が平均86打!? MRIで見えた、72打の熟練者との脳の違い
GOLF DNA編集部🇨🇳
3行まとめ
- ゴルファーの脳を比べた研究では、「初心者」20人でも18ホール平均86打。
- 熟練者20人は平均72打だった。
- MRIから推定した脳のネットワークで、熟練者は近い領域同士のまとまりと局所的な効率が高かった。
『初心者』と聞いて、どんなスコアを思い浮かべるだろう。2026年の脳研究に登場する初心者は、18ホール平均86.15打。ちょっと待って、それはもう十分うまいのでは? この意外な数字から、研究の読み方が始まる。
研究の「初心者」は、週3回練習していた
学術誌PLOS Oneに発表された研究は、熟練ゴルファー20人、初心者20人、正式なゴルフ訓練歴のない20人、計60人を比べた。熟練者の平均は72.05打で、10年以上、週6回以上の練習歴がある。『初心者』はゴルフ歴3年未満だが、週約3回練習し、平均86.15打。つまり、休日に初めてクラブを握った人との比較ではない。
研究チームはMRI画像から脳の116領域の灰白質量を調べ、領域同士の関係をネットワークにした。スイング中の脳の働きを直接撮ったわけではなく、脳の構造的な関係を比べている。
全部が強くなるわけではなく、近くがまとまる
熟練者で高かったのは、ネットワーク内で近い領域同士がどれだけまとまるかを表す指標と、近い範囲で情報が回りやすいかを表す指標。専門用語では『クラスタリング係数』と『局所効率』だ。
一方、脳全体の情報の行き来を表す『全体効率』や平均経路長には、初心者との差が統計的に確認されなかった。上手な人の脳は隅々まで一律に高性能、という単純な話ではないらしい。
練習期間が長い人ほど、局所のまとまりを示す指標が高く、その指標が高い人ほど平均打数が少ない関係も見られた。平均72打という腕前を、脳の『ご近所づきあい』から眺めるのは面白い。
ただし「練習すれば脳が変わる」は言いすぎ
ここで一つ大事な注意。これは同じ人を何年も追った研究ではなく、ある時点の集団比較だ。練習がネットワークの違いを生んだのか、もともとの違いや体力・生活習慣が関係したのかは分からない。MRIで見た構造から、『判断が速い』『集中力が高い』といった実際のプレー中の能力を直接測ったわけでもない。
だから『ゴルフで頭が良くなる』とは言えない。それでも、上達の姿が単なる脳の全面パワーアップではなく、つながり方の違いとして現れたのは興味深い。次に見たいのは、同じ人が練習を重ねる間に本当にこのつながりが変わるのか、だ。
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