ゴルフ場には寄るのに、コース内は1%未満 ガラガラヘビ67匹を11年追った
GOLF DNA編集部🇺🇸
3行まとめ
- 米アリゾナのゴルフ場周辺で、研究者がタイガーガラガラヘビ67匹を11年以上追跡した。
- 近くを使う傾向がある一方、主調査区域内でコース設備にいた記録は各個体で1%未満。
- 水のある周縁は役立ち、開けた芝地は移動を妨げる可能性がある。
ゴルフ場は、砂漠のヘビにとってオアシスなのか。それとも避けたい場所なのか。米アリゾナ州のストーン・キャニオンでタイガーガラガラヘビを追った研究は、すっきり一つには決められない結果を見せた。
ヘビはゴルフ場の近くを使う傾向がある。ところが、コースの中で確認された位置は、各個体で1%未満だった。緑のそばには寄る。でも、広い芝の中にはほとんど姿を見せない。
67匹に発信機を付け、11年超の位置を追う
研究者は2002年7月から2013年12月まで、タイガーガラガラヘビ67匹を無線で追った。雄31匹、雌36匹。通常は週に1〜2回、冬は月に1〜2回ほど位置を確認した。1匹あたりの追跡期間は平均923日、位置の確認は平均122回に及ぶ。
舞台はゴルフ場と住宅地が並ぶストーン・キャニオン。2000年にできたコースの周囲では、住宅が2002年の18戸から2013年には150戸へ増えた。研究者は、コースだけでなく、住む人や道路が増えていく景色の中でヘビがどこを通るかを見ていた。主な解析区域は350ヘクタール、およそ3.5平方キロメートルだ。
近づく。でも芝地を横切らない
位置と地形を照らし合わせると、ヘビはゴルフ場や自然地に近い場所を使う傾向を示した。一方、主な解析区域で記録された位置のうち、ゴルフコースの設備内にあったものは、各個体で1%未満。大半は自然地だった。移動範囲を推定した図にも、コースの芝地を横切るより、その周囲を回るような軌跡が見える。
ここでいう「コース設備」はフェアウェイとグリーンだけではない。研究ではラフやバンカーも同じ分類に含めている。だから、1%未満という数字から「フェアウェイだけを特に避けた」とまでは言えない。それでも、ゴルフ場のすぐそばを使いながら、プレーする空間にはほとんど入らないという対照は鮮やかだ。
なぜ縁に寄るのか。乾いた土地では、灌漑されたラフの周辺に植物が茂り、小動物や隠れ場所が増える。論文の著者らは、そうした資源がヘビにとって魅力になり得ると考える。一方、開けた芝地は移動の障壁になるかもしれない。ただし今回の位置調査だけで、個々のヘビが何を食べ、どの資源を求めて寄ったかまで証明したわけではない。
「ヘビの罠」だったとは、まだ言えない
論文はこの場所を「生態学的トラップ」になる可能性があると述べる。水や餌に引かれて近づいた先に、移動しにくい芝地や人との接触が待つかもしれない、という意味だ。
ただし、この研究はヘビの生存率や繁殖の成否、ゴルファーへの咬傷を直接測っていない。「ゴルフ場がヘビを減らした」「ここは危険なコースだ」と結論づけるのは飛躍になる。研究者自身も、影響を確かめるにはさらに細かな追跡が必要だとしている。
ゴルファーには一枚の緑に見えるコースも、野生動物には同じ地形ではない。水と隠れ場所がある縁、身を隠しにくい芝地、その先に伸びる道路。18ホールを別の地図で眺めると、ゴルフ場の『自然』は、思ったより複雑だ。
出典:conbio.onlinelibrary.wiley.com
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