スライスをボールに直させると、規則の外へ出る――ポララの「向きがある球」
GOLF DNA編集部🇺🇸
3行まとめ
- ポララのボールは矢印を目標へ向けて置く。
- 浅いディンプルと深いディンプルを使い分け、曲がりを抑える設計だ。
- メーカーは最大75%の補正をうたうが、独立試験で誰にでも同じ効果が出ると確認された数字ではない。
ティーアップしたボールの矢印を目標へ向ける。同じスイングでも球の置き方で曲がりを減らそうというのが、ポララの『Ultimate Straight』だ。スライスをスイングではなく、ボール側で直す発想である。
なぜ矢印が必要なのか
メーカーによると、この球は赤道付近のディンプルが浅く、両極側は深い。矢印を目標方向へ合わせると、空中で球が飛びやすい向きになるという。揚力を抑え、回転軸も特定の方向へ安定させることで、フックやスライスを小さくする設計だ。普通の球と違い、どの向きで置くかが性能の一部になっている。
商品ページは曲がりを『最大75%』減らすとうたう。ただし、これはメーカーの性能表示。技術ページには打撃ロボットによる比較が載るものの、その数字を独立した試験で確認したわけではない。全員のスライスが75%減る、と読むべきではない。
真っすぐ飛ぶ工夫が、適合の壁になる
R&Aの用具規則は、球を『球対称の球と異なる性質を持つように設計・製造しない』と定める。つまり向き次第で飛び方が変わることを、意図的に性能へ組み込んではいけない。ゴルフ規則4.2も、各ストロークで適合球を使うよう求める。ポララの自動補正球は、この規則に従うプレーでは使えない。
ここで『審査に落ちた商品』と決めつけるのも違う。ポララは2012年の自社記事で、再設計した球をUSGAの適合審査へ提出せず、適合しないことは分かっていたと説明している。
この境界は後からできた。R&Aの用具規則史によれば、飛行中のフックやスライスを補正する球の登場を受け、1980年に球対称性の基準が採用された。最初から『そんなボールはあり得ない』と決められていたわけではない。曲がりを減らす道具の登場に、競技のルールが線を引いたのである。
練習やクラブ選びではなく、球の空力を変える。競技規則では採れない選択だが、友人同士で規則に縛られず遊ぶときには、どこまで道具に任せたいかを考える材料になる。ポララの面白さは、スライスの補正率だけでなく、ゴルフの『同じ条件で打つ』という前提を球の向きから見せてくれる点にある。
出典:polaragolf.com(2・3) / The R&A(2・3)
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