リチャード・ブランド、48歳で欧州ツアー478戦目の初優勝 51歳で最初の2シニアメジャーを連勝した「遅すぎるピーク」のその後
GOLF DNA編集部🇬🇧

3行まとめ
- 1998年の欧州ツアーデビューから20年以上勝てず、2018年にカードを失い、46歳で下部ツアーから再昇格したリチャード・ブランドは、48歳・欧州ツアー478戦目で初優勝。
- 51歳では最初の2つのシニアメジャー出場を連勝した。
- 2025〜2026年を追うと、2024年の勢いは同じ形では続いていないが、2026年もLIVで競技を続けている。
478戦目で初優勝。そこだけでも十分に珍しい。
だが、リチャード・ブランドのキャリアでさらに異例なのは、その3年後だった。51歳で初めて出場したシニアメジャーを勝ち、その次のシニアメジャーも勝った。
「遅咲き」と一言で片づけるには、途中の落差が大きい。1998年の欧州ツアーデビューから20年以上勝てず、2018年には出場資格を失った。それでも46歳で下部ツアーから戻り、48歳で初優勝。そして51歳でシニアメジャー2連勝まで進んだ。
では、このピークは2024年だけの一発だったのか。2025〜2026年まで追うと、答えは少し複雑になる。
初優勝は478戦目、それまでも上位争いはあった
ブランドが欧州ツアーに初めて出場したのは1998年の全英オープンだった。
2021年の初優勝までに、2位が3回、3位が2回、そのほかトップ10が26回。それでも勝利には届かなかった。
大きな転機は2018年に訪れる。欧州ツアーの出場資格を失い、下部のチャレンジツアーへ戻った。そこで46歳にして再昇格。当時の最年長昇格者となった。
そこから2年後の2021年5月、ベットフレッド・ブリティッシュ・マスターズでようやく勝った。
欧州ツアー478戦目、48歳。グイド・ミリオッツィとのプレーオフを制しての初優勝だった。
本人は後に、この勝利によって「必要な場面でショットやパットを決めて勝てる」という自信を得たと振り返っている。ただし、それが後の成績上昇を直接生んだと証明されたわけではない。ここで確かなのは、20年以上続いた未勝利が478戦目で終わったことだ。
51歳、シニアメジャー初出場でいきなり優勝
次の大きな転換は2024年だった。
ブランドは、2021年のブリティッシュ・マスターズ優勝による一度限りの出場資格を使い、シニアPGA選手権へ初出場した。
そこで最終日に63をマーク。通算17アンダーまで伸ばし、3打差で優勝した。
つまり、シニアメジャーへの最初の出場で、そのままタイトルを取ったことになる。
そして約1カ月後、全米シニアオープンにも出場。藤田寛之との4ホールに及ぶプレーオフを制し、シニアメジャー2連勝を達成した。
米国ゴルフ協会によれば、「最初に出場した2つのシニアメジャーを両方勝った」のは、アーノルド・パーマー、アレックス・チェイカに続く史上3人目だった。
48歳で欧州ツアー初優勝を果たした選手が、51歳で初めて踏み込んだシニアメジャーを2大会続けて勝つ。ブランドの遅いピークが最も鮮明に見えたのが、この2024年だった。
2025年、連勝の勢いはそのままでは続かなかった
翌2025年、シニアPGA選手権には前年覇者として出場した。結果は通算2アンダーの14位タイ。
前年の優勝を再現したわけではないが、タイトル防衛戦でも上位側には残った。
一方、LIVゴルフの2025年シーズンは個人27位、51.03ポイントで終了。上位24人の自動残留圏には入らず、「オープンゾーン」と呼ばれる位置だった。
つまり、2024年のシニアメジャー2連勝をそのまま翌年へ持ち越したわけではない。ピークが直線的に伸び続けた、と表現するのは違う。
2026年も競技は継続、ただし2024年と同じ勢いではない
2026年もブランドはクリークス・ゴルフクラブの選手としてLIVゴルフでプレーを続けている。
9月19日時点では13大会中12大会を終え、個人38位、113.6ポイント。後半にはインディアナポリスで9位、通算13アンダーの結果を残した。
また、2024年の全米シニアオープンとシニアPGA選手権の優勝により、2026年全米シニアオープンでも予選免除対象だった。
ここまでを見ると、「2024年だけ突然強くなって終わった」とも、「50代に入ってからずっとピークを更新し続けている」とも言い切れない。
2024年の2連勝ほどの結果は、その後まだ再現していない。だが、翌年のシニアPGAで14位タイに入り、2026年もLIVで競技を続け、全米シニアオープンでも予選免除資格を得ていた。
年齢がブランドを強くしたわけではない
この経歴で最も魅力的なのは、年齢だけを原因にしなくても十分に異例だという点だ。
1998年のデビューから長く勝てず、2018年にはカードを失った。46歳で再昇格し、48歳の478戦目で初優勝。さらに51歳で、最初の2つのシニアメジャー出場を連勝した。
そこには明確な競技上の転換点が並んでいる。
ただし、「年齢を重ねたから強くなった」「特定のツアーへ移ったから復活した」といった因果は、確認された事実からは導けない。
ブランド自身は2021年の初優勝がその後の自信につながったと語っている。事実として言えるのはそこまでだ。
2025〜2026年まで見ると、2024年のピークは同じ強度では続いていない。それでも、欧州ツアー478戦目でようやく初優勝した選手が50代に入ってからシニアメジャーを2つ取り、その後も競技を続けている。
リチャード・ブランドのキャリアは、「遅咲き」というより、いったん出場資格まで失った選手が、40代後半から競技上の最高実績を更新した例として見るほうが正確だ。
出典:DP World Tour / PGA of America / USGA(2・3) / pgatourmedia.pgatourhq.com / LIV Golf(2)
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