宇宙ゴルフの1球、NASAは「3日」スポンサーは「3年半」
GOLF DNA編集部🌐
3行まとめ
- 2006年、宇宙飛行士がISSの外で3gのゴルフボールを1球だけ打った。
- NASAは数日で大気圏へ、スポンサーは約3年半も周回すると予測。
- 話題になった「100万マイル」は、クラブで飛ばした距離ではない。
2006年11月22日、国際宇宙ステーション(ISS)の外に、ゴルフの『ティー』が置かれた。ロシアの宇宙飛行士ミハイル・チューリンが、金色の6番アイアンで小さな球を片手打ち。マイケル・ロペス=アレグリアが足を支えた。持ち出した球は3個だったが、実際に打てたのは1個だけだ。
打った球は予定された真後ろへは飛ばず、ISSの居住棟の右側を通過した。この一打をめぐって本当に数字が割れたのは、飛距離より『いつ落ちるか』だった。
普通の球の約15分の1、重さは3g
ESAの事前発表では、使用する球は3g。一般的なゴルフボールのおよそ15分の1の重さだ。球がISSや後のシャトル飛行に危険を及ぼさないか、NASAは事前に確認を重ねていた。宇宙遊泳の正式な作業の一つとして組み込まれた、慎重な『一振り』だった。
NASAは数日、スポンサーは数年
当時の報道では、NASAは球が2~3日で大気圏に再突入すると予測。ESAの事前予測も3~5日だった。一方、この企画を支援したゴルフ用品会社Element 21は、約3年半は軌道を回ると主張した。
Space.comは、当初想定した球から白い3gの軽量球へ仕様が変わったことが、予測差の一因かもしれないと伝えている。ただし、それだけが理由と断定はできない。今回確認した当時の資料では、実際の再突入日を確定する追跡記録も見つからなかった。予測を『実際に3年半飛んだ』という記録に変えてはいけない。
『100万マイルのショット』ではない
NASA側が見積もった約100万マイル(約160万km)も、クラブが球を押し出した距離ではない。球は打つ前からISSとともに地球を周回していた。軌道を回りながら進む道のりを合計した予測値であって、地上のドライバーの飛距離とは別物だ。
打ったのはわずか1球。ところが、その3gの球がどれだけ長く宇宙に残るかについては『数日』と『数年』が並んだ。宇宙ゴルフで最も遠くまで飛んだのは、ボールよりも予測の幅だったのかもしれない。
出典:esa.int / space.com(2) / abc.net.au
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