「足跡をならしただけ」で2罰打。シンク失格事件が変えたバンカールール
GOLF DNA編集部🇺🇸
3行まとめ
- 2008年、シンクのキャディーがバンカーの足跡をならすと2罰打の対象に。
- シンクは罰打を入れずにスコアカードを提出し、失格した。
- 事件後に解釈が変わり、今はコース保護のための整地が認められる。
キャディーがバンカーの足跡を消した。後続の選手のために砂をならす、ゴルファーなら褒められそうな行動だ。ところがスチュワート・シンクは、それが2罰打の対象となり、最後は失格した。2008年のチューリッヒ・クラシックで起きた話である。
何をそんなに悪くしたのか。実は、この一件がルールの解釈を動かすことになる。
球は外、足はバンカーの中
シンクの球は、フェアウェイバンカーのすぐ外に止まった。構えるために足を砂の中へ入れ、打った球は別のバンカーへ。キャディーは移動する前に、最初のバンカーについた足跡をレーキでならした。
問題はその順序だ。シンクの球がまだ次のバンカーにあるとき、別のバンカーをならした。当時の規則では、これが「同じ種類のハザードの状態を試した」とみなされた。罰は2打。シンクは罰打を入れずにスコアカードを提出したため、失格になった。レーキをかけた瞬間に失格したわけではない。
「直して帰れ」と「触るな」がぶつかった
バンカーに足跡を残さないのは、後続の選手へのマナー。一方、次のバンカーショットのために砂の状態を試すのは禁止。シンク事件は、この二つが思いがけない場所で衝突した例だった。
事件後、R&AとUSGAの合同規則委員会は解釈を見直し、2008年4月に即時発効の見解を出した。別のバンカーをコース整備のためにならし、次のショットを有利にせず、その後のプレーにも影響しないなら違反ではない。日本ゴルフ協会が公開した当時の日本語訳にも、シンクの裁定が見直しのきっかけだったと記されている。
今ならどうなる?
現行の規則12.2では、コースを手入れするためにバンカーをならすことは認められている。ただし、次の一打の情報を得るために砂を試したり、打つ条件を有利に変えたりすれば別だ。
礼儀を守った人が罰を受けた。その違和感から、「砂を試す」と「コースを整える」の線引きが明確になった。いつものレーキにも、こんな珍事件の歴史がある。
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