NASAの船外活動に「ゴルフ」があった 2.83gの球を片手で打った理由
GOLF DNA編集部🌐
3行まとめ
- 2006年、ISSの外で宇宙飛行士がゴルフボールを打った。
- しかも余興ではなく、NASAの船外活動記録に載る正式な作業だった。
- 球を約2.83gまで軽くし、打ち手の足を仲間が固定する。
2006年11月22日、国際宇宙ステーション(ISS)の外で、ミハイル・チューリン宇宙飛行士がゴルフボールを打った。
この話の面白いところは、宇宙でゴルフをしたという珍しさだけではない。NASAの船外活動記録には、その日の目的の一つとして「ゴルフボールを打つ商業宇宙タスク」と記されている。アンテナの作業や放射線実験装置の取り付けと同じ欄に、ゴルフが並んでいるのだ。
ティーを置く人、足を押さえる人
地上なら一人で構えて打てる。だが、宇宙服を着てISSの外にいるチューリンは、足場ごと動いてしまいかねない。
NASAの記録によると、相棒のマイケル・ロペス=アレグリアがティーをセットし、チューリンの足を固定した。チューリンが球を打ったのは片手である。二人がかりで、ようやく成立した一打だった。
使った球も普通ではない。重さは約2.83g。NASAが比較に挙げた通常のゴルフボール約45.92gの、およそ16分の1だ。飛距離を競う以前に、球を宇宙でどう扱うかを考えなければならなかった。
「何ヤード飛んだ?」より大事なこと
この企画はカナダのゴルフ会社が資金を出した商業マーケティング案件だった。とはいえ、スポンサーの思いつきで宇宙に球を放り出したわけではない。ESAは事前に、軽い球が数日で大気圏へ戻り燃え尽きるとの見通しを示していた。ただしこれは打つ前の予測で、実際の再突入日や飛距離を示す記録ではない。
地上のゴルフなら、球がどこへ飛ぶかはスコアの話。ISSの外では、球がステーションに戻ってこないかが先に来る。宇宙のティーショットは、まず安全な一打でなくてはならなかった。
一球の後は、アンテナと実験装置へ
二人の船外活動は5時間38分。球を打った後には、収納できなくなったKursアンテナを調べ、別のアンテナを移し、放射線を測る実験装置を取り付けた。Kursアンテナの収納は結局できず、その作業は断念している。
華やかな「宇宙ゴルフ」と、うまくいかないアンテナ作業。両方が同じ日の正式な工程表に載っていた。ナイスショットかどうか以上に、その事実がこの一球を忘れがたくしている。
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宇宙ゴルフの1球、NASAは「3日」スポンサーは「3年半」
3行まとめ
- 2006年、宇宙飛行士がISSの外で3gのゴルフボールを1球だけ打った。
- NASAは数日で大気圏へ、スポンサーは約3年半も周回すると予測。
- 話題になった「100万マイル」は、クラブで飛ばした距離ではない。