馬がフェアウェイを横切っても「どいて」は禁句。赤い服のゴルフ場
GOLF DNA編集部🇬🇧
3行まとめ
- ロンドンの公共地にあるゴルフ場では、歩行者や乗馬者が横切ったらゴルファーが待つ。
- プレーする人には赤い上着も義務。
- 周囲にゴルフ中だと知らせるためだ。
ティーショットを打とうとしたら、フェアウェイの先を馬が横切る。こんなとき、日本のゴルフ場なら驚くだろう。ロンドンのウィンブルドン・コモンでは、打たずに待つのがゴルファーだ。しかも、プレーする人は赤い上着を着なければならない。
「どいてください」と言えない理由
ここは、散歩や乗馬にも使われる公共の土地だ。コモンの細則は、歩いたり馬に乗ったりしている人を危険にさらすショットを禁じ、ティーからグリーンの間を横切る人に移動を求めることも禁じている。地元クラブの案内にも、一般の利用者が通っていたら安全になるまで打たない、とある。
つまり「ゴルフ場だから通行人が譲る」ではない。フェアウェイを横切る道も馬の通り道もあり、プレーの側が周囲を見て待つ。ボールを打つ権利より、そこにいる人の安全が先なのだ。
赤い服は、おしゃれではなく安全標識
では、なぜ真っ赤な服なのか。コモンの細則はゴルファーに赤いコート、または赤い上着を義務づける。ウィンブルドン・コモン・ゴルフクラブのローカルルールはさらに細かい。袖付きで無地、英国の郵便ポストを思わせる鮮やかな赤。公共地のほかの利用者から見えやすくするためだという。
この決まりは、最近できたものではない。英国の歴史資料機関Historic Englandによれば、赤い上着の義務は1892年に始まった。ゴルフをしている人がいる、と通行人に知らせるためだった。赤は伝統の衣装である前に、歩く人や馬に向けた目印なのだ。
同じ場所なのに、1番ホールが2つ?
もう一つ、このコースには妙な仕組みがある。ロンドン・スコティッシュとウィンブルドン・コモン、2つのクラブが同じコースを使い、別々の場所から回り始める。
管理者の案内では、ロンドン・スコティッシュの1番ホールは、もう一方のクラブでは8番。反対にウィンブルドン・コモンの1番は、ロンドン・スコティッシュでは12番になる。同じ地面に立っても、どちらのクラブかで「ここは何番?」の答えが変わる。
この土地でゴルフが始まったのは1865年ごろ。以来、ゴルファーが土地を独占するのではなく、ほかの利用者と場所を分け合ってきた。馬が通れば待つ。自分がプレー中だと分かるよう、赤を着る。変わったドレスコードだと思って読み始めると、公共地でゴルフを続けるための、かなり筋の通ったルールに見えてくる。
出典:wpcc.org.uk(2) / wcgc.co.uk / historicengland.org.uk
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