ホールインワン2発で観客に19万2400ドル、137ヤードでは保険が出なかった
GOLF DNA編集部🇺🇸
3行まとめ
- 2015年グリーンブライアー・クラシックでは、同日のホールインワン2発で観客に計19万2400ドルが配られた。
- ところが実際の距離は137ヤード。
- 最終契約の170ヤードだけでなく、申込書の150ヤード条件にも届かなかった。
ホールインワンが出れば、選手ではなく観客も現金をもらえる。2015年のグリーンブライアー・クラシックには、そんな企画があった。7月2日の初日、ジョージ・マクニールとジャスティン・トーマスが18番パー3で相次いでエースを決め、観客への支払いは計19万2400ドルになった。
ただ、主催側が用意していた保険は使えなかった。2人が打った137ヤードは、契約に書かれた最低距離より短かったからだ。
1発目は100ドル、2発目は500ドル
対象は、ホールインワンが出たときに18番のスタンドにいた観客。大会最初のエースなら1人100ドル、2回目なら500ドル、3回目なら1000ドルという仕組みだった。
米国男子(PGAツアー)の公式最終日記録によると、マクニールのエースで計1万8900ドル、トーマスのエースで計17万3500ドルが配られた。この二つを足すと19万2400ドル。同日の速報では「約19万2000ドル」と報じられている。選手が選ぶ慈善団体向けにも、マクニールには2万5000ドル、トーマスには5万ドルが別途用意された。
球がカップに入る瞬間を見た観客に、その場でお金が配られる。競技の好プレーが、観客にとっても実際の利益になる企画だった。
137ヤードは、どちらの条件にも届かなかった
主催するオールド・ホワイト・チャリティーズは、現金配布の負担に備えて保険を手配していた。申込書の条件は最低150ヤード。最終的な保険契約では、最低170ヤードになっていた。
保険会社側との争いで、米国第4巡回区連邦控訴裁判所は2017年12月20日、補償なしとした地裁判断を維持した。137ヤードは契約の170ヤードを満たさず、仮に申込書の150ヤードを基準にしても足りない。条件が150から170へ変わったことだけで、敗訴を説明することはできない。
主催側は、その後、保険を手配したバンカーズ・インシュアランスにも責任を求めた。しかし2020年1月21日の控訴審でも、主催側の主張は退けられた。
この判決には、ゴルフの現場ならではの事情も記されている。申込書の補足では、18番は平均175ヤードで使われる一方、当日のティーとピンの位置は米国男子(PGAツアー)が決め、主催側には距離を管理する権限がないと説明されていた。主催側の代表者は、その補足と最低150ヤードの条件がある申込書を読んで署名していた。
裁判所は、この補足が最低距離の条件を打ち消すものではないと判断した。「普段は175ヤード」と「少なくとも150ヤード」は、同じ条件ではなかった。
申込書の150ヤードと実際の137ヤードとの差は13ヤード。二つのエースも観客への現金配布も事実だが、それが保険の対象になるかは別の話だった。この争いで問われたのはエースの価値ではなく、どの距離からの一打を補償すると約束していたかだった。
出典:PGA TOUR / pgatourmedia.pgatourhq.com / ca4.uscourts.gov(2)
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