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新品では適合でも、使い込んだドライバーが検査落ちする理由

GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
  • 新品時に規則へ適合したドライバーでも、打撃を重ねてフェースの反発を示すCTが上がり、検査上限を超えることがある。
  • 2019年の全英オープンではシャウフェレのドライバーが不適合となり、米国男子(PGAツアー)は使用中のヘッドを調べる制度を導入した。
  • ただし、彼の個体が使用によって変化したとまでは分からない。
使用中のドライバーの反発特性を確認する検査を、傷のないフェースに振り子の金属球が接する場面で表したAI生成の概念イラスト。実際の検査装置や特定選手のクラブの再現ではない。

新品で適合していたドライバーが、使っているうちに規則上限を超えることがある。製品名が適合リストに載っていても、競技で問われるのは、その日に使う1本の状態だ。

全英オープンで別のドライバーを探した

2019年の全英オープン前、R&Aは出場選手のドライバー30本を無作為に選んで検査した。ザンダー・シャウフェレの1本が不適合と判定され、彼は開幕前に別のドライバーを探して出場した。使い慣れた1本を大舞台の直前に替えなければならない。検査の結果は、数字だけで終わる話ではない。

ただし、シャウフェレのヘッドが新品時には適合し、使用によって数値を超えたのかは、この検査結果だけでは分からない。彼の事例を『使い込むと必ず不適合になる』証拠にはできない。

何が変わると検査落ちするのか

フェースの反発特性は、振り子式の装置を当てたときの接触時間、CT(Characteristic Time)で調べる。基準は239マイクロ秒。検査の許容幅18マイクロ秒を加えた257マイクロ秒を超えた使用済みヘッドは、不適合と判定される。

繰り返しの打撃でフェースのCTが上昇する現象を、米国男子(PGAツアー)は『Driver Creep』と呼ぶ。2019年9月には、通常使用で新品時に適合していたヘッドが上限を超える場合があると説明し、メーカーが持ち込む新品だけでなく、選手が実際に使っているヘッドも検査する制度を始めた。

黄はまだ使える。赤は使えない

規則上、材料が削れる普通の『摩耗』と、繰り返し荷重で生じる『損傷』は別に扱う。USGAは、使用済みドライバーの実地検査で257マイクロ秒を超えた個体を、適合状態から損傷して不適合になったものとみなす。その後のラウンドでは使えない。ただし、検査前に選手が不適合を知っていた場合を除き、過去のラウンドへさかのぼって罰を科さない。

2024年の全米オープンでは、検査結果を緑・黄・赤で伝えるとUSGAが通知した。緑は適合。黄も適合で、その後のラウンドで使えるが、許容幅内に入っており、使い続けると将来上限を超える可能性がある。赤は不適合で、以後は使用できない。黄が出た時点で直ちに違反となるわけではない。

使い慣れたエースをいつ替えるか

打てば必ずCTが上がるわけでも、古いクラブほど飛ぶわけでもない。何球で上限を超えるか、飛距離が何ヤード変わるかを一律に言うこともできない。

それでも競技に出る選手には厄介だ。顔つきや振り心地に慣れ、球筋まで信頼できるエースを、開幕直前に別のヘッドへ替えるのは簡単ではない。だからこそ『このモデルは適合品か』に加え、『いま使う個体は適合しているか』を確かめる必要がある。愛着が増したクラブほど、その確認を後回しにしたくなる。

出典:PGA TOUR(2) / USGA(2・3)