コラムルール・安全
カップを 回った 球が 自分の 足へ 打ち直さず 2罰打、 今なら 違う 珍裁定
短いパットがカップの縁を回り、戻ってきて自分の足に当たった。残った球を入れてホールアウト――これで罰になると言われたら、何を間違えたのか戸惑うだろう。
2019年10月13日、米シニアのSAS選手権最終日に、イェスパー・パーネビクが遭遇したのはそんな場面だった。意外なのは、足に当たったこと自体ではなく、パットを打ち直さなかったことが問題になった点だ。
競技委員もUSGAへ確認した
当時のロイター報道によると、米ノースカロライナ州プレストンウッドCCの3番で、パーネビクの短いボギーパットがカップを回って外れ、本人の足に当たった。彼は止まった場所から次のパットを入れ、ダブルボギーで終えたつもりだった。
ところが、当時の規則ではグリーンから打った球がグリーン上の人に偶然当たると、そのストロークは数えず、元の位置から再プレーしなければならなかった。「人」には本人も含まれていた。
競技委員ブライアン・クラーは、現場だけでは判断がつかずUSGAへ確認したとロイターに説明している。裁定は、元の位置へ戻さずに打ったための誤所からのプレーで2罰打。結果はトリプルボギーとなった。
ここで、単純にダブルボギーへ2打を足すわけではない。足に当たった最初のパットは数えず、その後に入れたパットと2罰打を数える。やり直していれば、外れたパット自体を帳消しにして再挑戦することになった。
自由な「マリガン」ではなかった
報道ではこの再プレーを、遊びのラウンドで使う「マリガン」という言葉で表している。しかし、好きなときにやり直せるサービスではない。当時の規則が要求した処置だった。
失敗したパットがたまたま自分に戻ってきたことで、もう一度打たなければならない。しかも、そのまま続けると罰になる。ゴルフの珍事というより、規則の仕組みそのものが目立つ出来事だった。
現行規則なら、打ち直さない
その後、扱いは変わった。USGAは2021年1月、本人や使用したクラブなどへの偶然の接触ではストロークを数え、あるがままにプレーするモデルローカルルールD-7を追加した。ただし、ローカルルールは競技委員会などが採用して初めて有効になるもので、この時点ですべての競技が自動的に変わったわけではない。
現在の規則11.1b(2)では、グリーンから打った球が本人へ偶然当たった場合、原則として止まった場所からプレーする。接触自体に罰はなく、そのパットも数える。パーネビクと同じ打数経過で、ほかの違反がなければ、ダブルボギーになる計算だ。
ただし、何に当たっても同じではない。グリーン上の別の人に当たった場合は、旗竿に付き添う人などの例外を除き、今も再プレーが必要となる。また、故意に足を出して球を止める行為は、偶然の接触とは別に規則11.2で扱う。
2019年の裁定を、現在の規則だけで「間違いだった」とは言えない。同じように球が足へ戻ってきても、そのとき有効な規則によって次にすべきことは違う。パーネビクの一打は、その差を見せる実例として残っている。
3行まとめ
- 2019年のSAS選手権で、パーネビクは自分の足に当たったパットを打ち直さず、2罰打を受けた。
- カップを回って外れた球をそのまま入れたが、当時は元の位置から再プレーする必要があった。
- 現行規則では、同じように自分へ偶然当たった場合は原則あるがまま。
出典:saudigazette.com.sa / USGA(2) / The R&A
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