コラム上達・サイエンス
中島啓太の 「空振り」は 1打に ならず 咳に 反応し、 途中で 打つのを やめた
クラブを振り下ろしたのに、球はその場に残った。2025年9月18日、欧州男子(DPワールドツアー)のフランスオープン初日。中島啓太が15番で見せた動作は、一見すると空振りだった。
ツアー公式記事は、近くの咳に気を取られたように見え、中島がスイングを途中でやめて球に触れなかったと伝えている。協議の後、罰は適用されなかった。Golf Monthlyも、この動作がストロークに数えられなかった経緯を紹介した。
当たらなければ0打、ではない
ゴルフ規則の「ストローク」は、球を打つために行うクラブの前方への動きだ。打つつもりで振り、単に球を外したなら、球が動かなくても1打になる。
ただし、R&Aの定義には例外がある。ダウンスイング中に打つのをやめ、クラブヘッドが球に届く前に意図的に止めた場合。止めきれずとも、意図的に球を外して打つのを避けた場合。この動作はストロークにならない。
中島の場面は後者として扱われた。大きくクラブが動いたかどうかだけでなく、途中で打つ意思を取り消し、実際に球を打たないようにしたことが分かれ目になる。咳が聞こえれば、どんなミスも取り消せるという規則ではない。
やめようとしても、球を打った例
ここで参考になる別の実例がある。R&Aの規則担当ディレクター、グラント・モアは、2022年のフランスオープンでトーマス・ピータースが見せた動作を公式記事で説明している。
ピータースはパットのダウンスイング中に気をそらされ、止めようとした。しかし止めきれず、パターで球を打ってしまった。R&Aは、この動作についてストロークが行われたと説明した。
現場では誤った裁定があり、その後のスコアの扱いは別の規則上の整理を要した。それでも、動作自体の判断は明確だ。打つのをやめようとした意思だけでは足りず、球を打つことを避けられたかも重要になる。
中島の球は動かなかった。その見た目だけなら普通の空振りとも同じだが、規則上の意味は違っていた。
3行まとめ
- 2025年フランスオープンで中島啓太が咳のような音に反応して球を外した動作は、1打に数えられなかった。
- 打つ意思があって単に外した空振りとは異なり、ダウンスイング中に打つのをやめ、意図的に球を外した場合はストロークにならない。
- 一方、やめようとしても球を打ってしまえば、同じ扱いにはならない。
出典:DP World Tour / The R&A(2) / Golf Monthly
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