コラム上達・サイエンス
50代で メジャー2勝の 年より 約12ヤード遠くへ ハリントンは 練習で 全力、 試合で 余裕
2008年に全英オープンと全米プロを制したパドレイグ・ハリントンは、その年、米国男子(PGAツアー)でドライバーを平均296.3ヤード飛ばしていた。2024年、53歳になる年の米国シニア(PGAツアー・チャンピオンズ)では平均308.2ヤード。差は11.9ヤードで、シニアツアーの飛距離ランキング1位だった。
若いころの方が必ず飛ぶとは限らない。それだけでも面白いが、本人の話を読むと、さらに気になる点がある。練習場ではできる限り速く振るのに、試合では毎回そうしないのだ。
練習で広げた上限を、試合で使い切らない
ハリントンは2025年3月の取材で、自宅で速く振るための練習を行い、遠征にも練習器具を持参していると話した。速度を測るときは、スイングの形を細かく直すことより、どこまで速く振れるかを重視する。練習場でボールの行方をあまり気にしないのも、そのためだ。
一方、コースでは『自分の範囲内でプレーする』という。速さの上限を押し上げておき、実戦では余裕を残してフェースの芯で捉える。方向を整える練習と、速さを伸ばす練習では、狙いが違う。
本人は一般ゴルファーに、週に少なくとも20球は強く振る練習を勧めている。ただし、これはハリントン自身の経験に基づく助言で、誰にでも安全な練習量や飛距離アップを保証する数字ではない。身体に不安があれば、そのまま真似するべきではないだろう。
予備のドライバーを持つ理由
速度を追う練習には、用具面の代償もある。強く振ると打点がばらつき、ミスヒットを繰り返すうちにドライバーのフェースに亀裂が入ることがあると、ハリントンは説明した。このため、ウォーミングアップには予備のドライバーを使う。試合中のバッグに2本入れて使い分けるという話ではない。
フェースが割れるほど振ること自体を、練習の目標にしているわけでもない。練習で速さの限界を探し、試合用の一本は守る。予備のクラブは、その使い分けを物語っている。
なお、2008年の296.3ヤードは米国男子(PGAツアー)、2024年の308.2ヤードはシニアツアーの記録だ。大会や計測ホール、用具などの条件はそろっていない。約12ヤードの差を、速度練習だけで生んだと結論づけることはできない。
それでも、メジャーを3度制した選手が50代でも速さを探り、試合では限界まで振らずにプレーしている。この『練習で試すこと』と『コースで使うこと』の違いこそ、飛距離の数字以上に考えさせられる。
3行まとめ
- パドレイグ・ハリントンの2024年の平均飛距離は、メジャー2勝を挙げた2008年より11.9ヤード長かった。
- 本人は速さを追う練習と、芯に当てる試合のスイングを使い分ける。
- 練習ではミスヒットでフェースが割れることもあり、予備のドライバーを使うという。
出典:PGA TOUR / GDOニュース / GolfWRX
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