モーダス全シリーズの違いと選び方
105・110・115・120・125・130、WEDGEとHYBRIDまで
105は軽いから楽、120はそれより重くて硬い。そんなつもりで試すと、モーダス選びは案外ややこしい。120 Sは115 Sより軽いし、130は125 Sより軽く、先端の動きを使って高さを出す設計だ。
同じモーダスでも、切り返してすぐ振り下ろしたいのか、シャフトがたわむ間を感じたいのかで、候補が変わる。重さを残したい人と、球を楽に上げたい人が、同じ一本に行き着くとは限らない。
まずアイアン用の105・110・115・120・125・130を比べる。その先のWEDGE、ユーティリティ用のHYBRID/HL、黒仕上げのLUXURY BLACKまで、一通り選べるようにまとめた。
公表仕様と試打者本人の評価をもとにした比較。GOLF DNAによる実打測定ではない。原試打の条件と資料は末尾に記載。
最初に選ぶ二本は、重さと「しなりを待ちたいか」で絞る
6モデルを硬さ順に並べるより、まず普段の振り方を崩さずに振れる重さを探す。その範囲で、切り返したときの張り、振り下ろしてからヘッドが戻ってくるタイミングを比べたい。
| モデル | Sの重量 | 比べる入口 |
|---|---|---|
| TOUR 105 | 106.5g | 軽量化したい。軽くても張りが欲しい。 |
| TOUR 110 | 110g | 軽めでも、先端寄りの重さと手応えを残したい。 |
| TOUR 115 | 118.5g | 重さを残し、動きに偏りの少ない候補から試したい。 |
| TOUR 120 | 114g | 中間がたわむ感触を使って、タイミングを作りたい。 |
| SYSTEM3 TOUR 125 | 128.5g | 重量級のまま、球の高さや強さを自分で変えたい。 |
| TOUR 130 | 124g | 中間の張りと先端の動きの組み合わせを試したい。 |
右列は試す理由を絞るための入口。たとえば「軽め」なら105と110、「110g台でしなり方を比べる」なら115と120、「重量級」なら125と130というように、最初の二本を決めると違いをつかみやすい。
115 Sは120 Sより重い。数字とフレックスを分けて見る
モデル名の数字は、そのまま重量の順位にはならない。S同士なら105→110→120→115→130→125の順で重くなる。115 Sと120 Sには4.5g、125 Sと130 Sにも4.5gの差がある。
| モデル | R | S | X | TX |
|---|---|---|---|---|
| TOUR 105 | 103g | 106.5g | 112g | 掲載なし |
| TOUR 110 | 105g | 110g | 115g | 掲載なし |
| TOUR 115 | 117.5g | 118.5g | 119.5g | 掲載なし |
| TOUR 120 | 111g | 114g | 120g | 126g |
| SYSTEM3 TOUR 125 | 127.5g | 128.5g | 129.5g | 掲載なし |
| TOUR 130 | 121g | 124g | 129g | 掲載なし |
フレックスを替えたときの重量差も揃っていない。110のRからXは10g差、115のRからXは2g差。120のSからXは6g重くなる。「Sが硬かったからR」という変更でも、モデルによって重さの変わり方が違う。
これは完成したクラブの総重量ではない。同じシャフトでも長さやヘッド、グリップが違えば振り感は変わる。試打クラブの条件が違うときは、シャフト名と一緒に長さ・総重量・バランスも控えておきたい。
TOUR 105|軽いけれど、ゆっくりしなるタイプとは違う
105 Sは106.5g。130g前後のシャフトから軽くしたいときに、重量差をはっきり試せる一本だ。日本シャフトは先端剛性を高め、軽さと強い弾道を両立する設計としている。
石井良介の5モデル試打では、105は軽くても張りがあり、素早く振っていけるという評価だった。クラブが軽くなったのに、切り返しでは思ったほど柔らかく感じない、という選び方の注意点が見える。
試すときは、思い切り振った球だけでなく、普段の七〜八割くらいの振り幅でも打ってみる。軽くなったおかげで振り切れるのか、重さを感じにくくなって手先で合わせているのか。気持ちよく振れた球と、少し急いだ球の打点・キャリーを並べたい。
TOUR 110|105に重さを足しただけではなく、振り感から選ぶ
105 Sと110 Sの重量差は3.5g。ただ、110は先端から中間の剛性を高め、重量バランスを先端寄りにした設計だ。メーカーは、重量級のシャフトに慣れた人にも似た振り感を狙ったモデルと説明している。軽さだけでなく、ヘッド側に重さを感じられるかが選ぶ理由になる。
吉田朋広がEPON AF307の7番に装着した試打では、110 Sは全体に張りがあり、切り返しへの反応が速い感触。レンジボールでは打ち出しが上がりすぎず、やや抑えられたという評価だった。元調子と聞いて、手元が大きく粘る動きを期待すると、印象が違うかもしれない。
同じ試打でRも、ただ柔らかく垂れる感触とは評価されていない。110 Sが張りすぎると感じたら、Rを候補に残す意味がある。反対に、重さが110gだからという理由だけでSを選ばず、軽く振ったときにも高さとキャリーが出るかを見たい。
105から110へ替えるなら、重さの差を当てにいくより、切り返しでクラブの位置が分かるか、当たり際に合わせ直さず振り抜けるかを比べる。105・110のSと、110のRを同じヘッドで打てると、重さと硬さを混同しにくい。
TOUR 115|重さを残し、動きの基準になる一本を探す
115 Sは118.5g。105より12g重く、120 Sよりも4.5g重い。105から少しだけ重くするつもりで選ぶと、想像より手応えのある重量帯に入る。
メーカーは105と125の設計の流れをくむモデルと説明している。石井の試打では、切り返しの粘り、戻る速さ、高さやスピンの出方に偏りが少ないという評価だった。
120のしなりを待つ感じが長い、でも105ほど軽くしたくはない。そんなときに115を挟むと、何が気になっていたのかを比べやすい。115で当たりやすくなっても、後半に重さが残るなら、今度は110や105まで重量帯を下げて確かめる。
115が真ん中の性格と評されたことと、誰にでもちょうどよいことは別だ。7番だけで選ばず、長い番手を普段のテンポで振れるか、短い番手で距離を抑えた球を打てるかまで見ておきたい。
TOUR 120|中間がたわむ時間を、タイミングに使えるか
120の特徴は、中間部の剛性を低めにした設計にある。先端部は高めの剛性としており、全体を一様に柔らかくしたシャフトではない。Sは114gで、115 Sより軽い。

石井の試打では、振り下ろしたときに中間から先がゆったり動く感触だった。単体の重さが115より軽くても、粘る動きによって、手応えを感じることがある。
切り返しで慌てず、しなりが戻る感触に合わせて打ちたい人には、気になる違いだろう。一方、素早く切り返したいのに、当たり際でヘッドを待つように感じるなら、115や110も隣に置いて比べたい。
120で確かめたいのは、ゆっくり振った球の高さと距離だ。フルショットが気持ちよくても、抑えた球で当たり遅れたり、距離が抜けたりしていないか。戻りを使える場面と、待ちすぎる場面を分けると、合う・合わないを説明しやすい。
SYSTEM3 TOUR 125|重さを残して、自分の打ち方で球を変えたい
125 Sは128.5gで、アイアン用6モデルのSでは最も重い。130より名前の数字は小さくても、実際には4.5g重い。「重いモーダスを選ぶ」という話なら、125を外して130だけを見るわけにはいかない。
メーカーは、部位ごとに素材の硬度を調整する熱処理を使い、重量級の手応えと操作感を狙ったモデルと説明している。石井の試打でも、打ち手の意図に反応するシャープな動きと評価された。
重さを残す目的なら、しっかり打った一球に加えて、低く出したい球と短く打ちたい球も試す。いつもの重さで狙った球を打ち分けられるか、それとも強く振り続けないと球にならないか。ここが125を候補に残すかどうかの分かれ目になる。
DGの重さを残して比較したい場合は、先に公開したモーダス対DGの記事で整理している。こちらでは、同じモーダスの130と、先端の動きや球の出し方を比べることに集中したい。
TOUR 130|中間の張りと、先端で高さを出す動きを試す
130は、中間部を硬め、先端部を低めの剛性にしたモデルだ。中間がたわむ120とは、しなりを作る場所が違う。メーカーも先端の動きで高い打ち出しを狙う設計としている。

石井の試打では、115より手元側の張りを感じ、先端が動く感触と評価された。切り返しではしっかり感じるのに、当たり際では先端の動きを感じる、という組み合わせが130を試す理由になる。
125と比べるなら、まず同じ狙いで通常の高さの球を打ち、次に低く抑える球も打つ。130の先端の動きで欲しい高さが出るか、抑えたいときにも自分のイメージを保てるか。重量差に加えて、その打ち分けの感触を残しておきたい。
数字が最大だから最も重い、最も硬い、最も低い球が出る。その三つをまとめて130の説明にすると、選び方がずれる。硬さを上げる一本としてではなく、120や125とは違う動き方を試す一本として見たい。
迷いやすい三組は、変えたい一球を決めて打つ
105と110:軽くするだけでなく、クラブの位置が分かるか
同じくらいの重さだから同じ球が出る、とは考えずに比べたい。105と110では先端側の重量バランスも設計も違う。普段のテンポ、切り返しを少し急いだとき、力を抜いたときの三通りで、打点とキャリーを控える。110だけRも打てれば、張りが気になった理由を探しやすい。
115と120:戻るのを待つ感触が、助けになるか
115の方が4.5g重い。それでも120の方がたわむ時間を長く感じるなら、重さの好みと動きの好みは分けて選べる。120でタイミングが取りやすいのか、115で待たずに打ちやすいのか。打ち出しの高さだけで決めず、狙った距離を繰り返せる方を残したい。
125と130:重量を使いたいのか、先端の動きも使いたいのか
125 Sは128.5g、130 Sは124g。重量級という括りは同じでも、同じ振り感を重量違いで選ぶ比較ではない。どちらもフルショットだけでなく、距離を抑える球と低い球を打って、ヘッドの動きを自分で追えるかを比べたい。
高い球が欲しいときも、モデルを高さ順には並べない
石井良介の7番・Sの試打では、105の打ち出し角が21.1度、130は17.9度だった。このときのヘッドスピードも105が37.3m/s、130が36.6m/sと異なる。メーカーが高い打ち出しを狙った130でも、この試打で最も高かったわけではない。設計の狙いを、そのまま6モデルの高さ順に読み替えない方がいい。
試打では最初の打ち出し、いちばん高くなったところ、キャリー、落下してからの転がりを見分けたい。「上がった」と感じた球でも、欲しかった距離に届いているかは別に確かめる。止まる球が欲しいなら、測定できる環境でスピンや落下角も合わせて見る。
左のミスについても、シャフト名だけで決めつけない。狙いより左へ出たのか、途中から強く曲がったのか、軽く振った球だけ左へ行くのかを残す。その違いを見れば、重さやしなり方を変えて何が改善したのかを比べやすい。
WEDGE 105・115・125は、アイアンと同じ数字でも別のシャフト
モーダスのウェッジ用はWEDGE 105・115・125の3種類。TOUR 105やTOUR 115を短くして名前を替えたものではなく、短いアプローチでの感触やスピンの扱いやすさを狙った専用設計だ。
| モデル | 未カット重量 | メーカーの振り感の説明 |
|---|---|---|
| WEDGE 105 | 111g | 軽さとしなりの感触を使うタイプ |
| WEDGE 115 | 122g | 手元の重さを感じ、ヘッドを使うタイプ |
| WEDGE 125 | 133g | 全体の重さを感じて操作するタイプ |
たとえばTOUR 120 Sの114gとWEDGE 115の122gでは、同じ「115」「120」の印象で選ぶと重量を取り違える。アイアンからウェッジへ替えた瞬間に、重さやタイミングがどうつながるかを打って確かめたい。
メーカーのFAQでは、TOUR 105からWEDGE 105、TOUR 120からWEDGE 115、TOUR 125・130からWEDGE 125を組み合わせの例としている。ただし、105のアイアンからWEDGE 115を選ぶ提案もあり、同じ数字だけが正解という指定ではない。
短いアプローチでしなりを感じたいのか、アイアンの延長でフルショットを打ちたいのかも分けたい。後者なら、メーカーはアイアン用のTOURシャフトをウェッジに使う選択肢も示している。30ヤードとフルショットを両方打てれば、欲しかった感触がどちらにあるか分かりやすい。
HYBRIDとHL|ユーティリティでは、91gのまま動き方を変える選択肢もある
MODUS³ HYBRIDは、スチールの本体にカーボンを組み合わせたユーティリティ用シャフト。「GOST」と呼ばれるGraphite On Steel Technologyの複合構造で、アイアン用のTOURシリーズとは用途も構造も違う。
| 表記 | 公表重量 | 位置づけ・選ぶときの確認 |
|---|---|---|
| HL | 91g | 手元と先端の剛性をSより下げ、高い打ち出しを狙う。 |
| S | 91g | 通常仕様。HLとの同重量比較で動きの違いを見る。 |
| TOUR S | 91g | 同じ重量でも別のフレックス表記。Sと同一扱いにしない。 |
| X | 101g | 重量も上がる。高さ・キャリーと振り切れる感触を比べる。 |
| TOUR X | 112g | さらに重い仕様。アイアンとの重量のつながりも見る。 |
HLとSはどちらも91gだ。HLはSに比べて手元と先端の剛性を下げ、しなりを感じながら当たり際のロフトをつけやすくする設計。重量を91gに保ち、球の上がり方と動き方を変える候補になる。
ユーティリティでは、フェアウェイから必要な高さが出るかと、ティーアップした球を狙った方向へ打てるかを両方見たい。HLで高さを出したい場合も、アイアン用110や120で感じたしなりを、そのまま同じものとして当てはめない。
通常のHYBRIDには.350仕様もある。表の.370とは先端径も公表重量も違うため、購入時はモデル名だけでなく装着するヘッドの径まで合わせて確認する。HLの国内公式掲載仕様は.370だ。
LUXURY BLACK|黒仕上げでも、先に中身のモデルを選ぶ
LUXURY BLACKは黒めっきの展開。国内公式は、従来のTOUR 105・120とWEDGE 105・115・125に加えて、TOUR 110・115・125・130を2026年10月に追加予定として案内している。

黒いアイアンに合わせたいときも、まず欲しい振り心地のモデルとフレックスを決める。色を先に決めてから別モデルへ替えると、見た目だけでなく重さやしなり方まで変わってしまう。
同じモデルの標準仕上げと黒仕上げを、今回の資料だけで球筋まで同じと断定はしない。試打できる仕様、店頭在庫、クラブメーカーのカスタム対応を確かめたうえで、型番・フレックス・組み上がりを揃えて選びたい。
最後は六本を打ち続けるより、候補二本と今の一本で決める
最初に重さの範囲を決めて二本へ絞り、今のアイアンと打ち比べる。たとえば105と110、115と120、125と130。二本とも振りづらければ、一つ軽い重量帯へ戻るか、同じモデルのフレックスを替えて確かめる。
試打の順番は、今の一本、候補A、候補B、もう一度今の一本。できればヘッドとロフト、長さ、グリップを揃える。7番で候補が残ったら、長い番手で高さとキャリーを、短い番手で距離を抑えた球も試す。
いちばん飛んだ一球より、普段のテンポで狙った距離を何度打てたかを残す。「軽いのに張りがある」「しなりを待つと合う」「先端が動く方が高さを出しやすい」と、自分の言葉で違いが言える二本まで絞れれば、モーダスのモデル数に振り回されにくくなる。
よくある疑問
モーダスは何種類ある?
国内公式のアイアン用はTOUR 105・110・115・120・SYSTEM3 TOUR 125・130の6モデル。ほかにWEDGE 105・115・125、ユーティリティ用のHYBRID/HL、黒仕上げのLUXURY BLACKがある。用途と仕上げの違いまで含めて見ると、アイアン6本だけではない。
モーダス115と120は、どちらが重い?
S同士なら115が118.5g、120が114gで、115の方が4.5g重い。しなりの感じ方も異なるので、数字の順に重く・硬くなるとは考えずに比べる。
105と110は、3.5gしか違わないなら同じようなシャフト?
Sの公表重量差は3.5gだが、110は先端寄りの重量バランスや剛性分布も選ぶ理由になる。重さが近いことだけで振り感や球筋の一致は判断できない。
モーダス120のSが合わなければ、115のRに替えればよい?
硬さの換算にはならない。120 Sは114g、115 Rは117.5gで重さも変わり、設計上のしなり方も違う。まず同じヘッドで、115のRとS、120のRとSのうち試せる仕様を比べ、切り返しの感触と高さ・キャリーを確かめたい。
モーダス130がいちばん重くて、低い球向け?
Sは124gで、125 Sの128.5gより軽い。130は中間部を硬め、先端を低めの剛性にして高い打ち出しを狙う設計。数字だけで重量や弾道の順位は決められない。
モーダスのSは、モデルが変わっても同じ硬さ?
今回確認した資料に、6モデルのSを同じ硬さへ換算する共通表はない。しなりを感じる場所や戻り方が違うため、モデル名とフレックスを組み合わせて試す。別の組み上がりで測った振動数だけで換算もしない。
TOUR 105とWEDGE 105は同じもの?
別製品。TOUR 105 Sは106.5g、WEDGE 105は111gという未カット仕様で、用途も違う。アプローチの感触を優先するか、アイアンからのつながりやフルショットを優先するかも見て選ぶ。
HYBRIDのHLは、Sより軽い?
.370の未カット仕様では、HLもSも91g。HLはSより手元と先端の剛性を下げ、高い打ち出しを狙う別仕様だ。軽量モデルだから球が上がる、という比較ではない。
黒いモーダスは、標準仕上げより硬い?
今回参照した国内公式の説明だけでは、色による硬さや球筋の優劣は判断できない。まず同じモデルとフレックスを指定し、クラブの長さやヘッドも揃えて比べる。