ゴルフ業界分析

公表資料・GD口コミ調査 · 2026年10月29日公開

GD RESEARCH · COURSE EXPERIENCE & REPEAT VISITS

ゴルフ場の評価とリピーター

メンバーとビジターは、なぜ通い続けるのか。会員・常連の体験から、通う理由と足が遠のく理由を読む。

GOLF DNA編集部 · 調査 2026年10月29日

COURSE EXPERIENCE & REPEAT VISITS

好きなコースに、
次も来られるか。

会員の使い勝手と、
ビジターが戻る条件を調べる。

2019〜2024年会員・非会員の利用推移
GD保存口コミ274,111件・1,877コース
114件を全文精読通う・離れる・戻る経緯
口コミの点数、再訪の希望、実際の来場を分けて読む。実来場率の推計ではない。

01

気に入ったのに通えない。少し不満でも、また来る。

毎月通っていた人が、次の週は別のコースへ変えてほしいと仲間に言われた。グリーンが傷んで足が遠のいていた人が、補修後に訪れ、また通いたくなった。会員ではないのに顔を覚えてもらい、うれしくなった人もいる。GDに保存した口コミを読むと、通う理由は点数の一覧より具体的だった。

好きな料理、攻略したいホール、慣れたスタッフ、友人を誘いやすい料金。そこに、希望日の予約、人数、移動時間、帰宅する時刻が重なる。コースがよくても予算に収まらず頻繁には来られない人も、多少待っても翌月の予約をしている人もいる。

では、メンバーとビジターで何が違うのか。会員には、会費を払い、自分のクラブとして使う関係がある。他のコースも選べるが、所属するクラブを持つ意味が別に問われる。何度も通うビジターにも愛着や顔なじみは生まれる。会員資格と常連であることを、分けて読んでいく。

編集部の整理

通いたい気持ちと、実際に来られる条件

好きな理由がある

攻略・食事・景観
仲間・接客・練習

予定が成立する

予約・人数・総額
移動・体力・帰宅時刻

次も選ぶ理由がある

前回の安心感
次の競技・再挑戦・紹介

3つが重なる場面を、本文の具体例で読む。

本文の口コミ事例を編集部が整理。各条件の重みや、再来場率を推計した図ではない。

資料 [1]

02

メンバーは、会員である価値を日々確かめている

メンバー本人とする投稿には、同伴ビジターの料金が高く友人を誘いにくいという声があった。別の会員は、外部予約のクーポンを使い、ビジター扱いで参加する料金に利点を感じていた。本人の会員料金だけを安くしても、組を作る時の使い勝手がよいとは限らない。

予約にも同じことがある。は、2025年12月プレー分から会員のWeb予約開始を従来より2時間早めた。には、時期や曜日によってメンバーのみで使う日や、ゲストの同伴条件がある。会員の価値は料金差に加え、通いたい日に使えることにもある。

年会費を払い続けても、仲間を誘えず、希望日が取れず、使う回数が減るなら、持っている意味を感じにくくなる。逆に、1人でも組める、月例で仲間に会える、家族を連れていけるなら、次に来る理由ができる。これは制度と利用の条件から考えた整理で、各施策が再来場を何%増やすかを測ったものではない。

長い付き合いだから、不満も具体的になる。長年の会員が以前より悪くなったグリーンの整備を求める投稿や、年齢限定会員が接客を評価しながら風呂・練習場・料理の改善を望む投稿があった。後者は正会員への加入も検討している。細かな要望には、この先も使いたいという期待が含まれることがある。

統計グラフ

2024年、会員の利用は土日祝に寄っていた

土日祝平日
会員
56.33%43.67%
非会員
35.64%64.36%
経産省・調査対象事業所の2024年延べ利用。各区分の合計を100%とした構成比。全国の人数、1日あたりの稼働、予約成立率ではない。

資料 [1][4][5][6]

03

ビジターにも、自分のホームコースのような場所がある

ほぼ毎週使う人は、バッグを預かってもらうことで持ち運びが減り、助かると書いていた。毎月使う人は、早めに着いて練習設備を使うことを勧めていた。こうした使い方は、1回のラウンドを買うだけでは見えてこない。なお、どちらも投稿だけでは会員資格まで確認できない。

会員ではないと明記した別の常連は、少し間を空けて訪れた時、食堂で久しぶりと声をかけられたことを喜んでいた。自分が覚えられている、いつものように過ごせる。そういう居心地は、会員権がなくても生まれている。

その一方、通える条件が変わると利用は減る。何度も回ってきたビジターが、平日の2バッグ割増で以前ほど来られないと述べた例もあった。直前に仲間が欠席し、2人で使える料金条件を探して別のコースを予約した例もある。常連の離反を考える時は、気に入らなくなったのか、予定を成立させられなくなったのかを分けたい。

次回来場を促すなら、その人が普段どの人数・曜日・時間で使うかを知る必要がある。4人を集めにくい夫婦に4人限定の優待を出しても、来るきっかけになりにくい。使ってもらうための案内は、いつもの利用条件につながっている方がよい。

編集部の整理

会員資格と、通う頻度は別の軸

頻繁に使う利用の間が空く会員

日常的に使う会員

希望枠、仲間、整備の安定、日々の使い勝手

あまり使わない会員

予約、健康、仕事、同伴者、会費の価値を確認

非会員

常連ビジター

慣れたコース、顔なじみ、いつもの人数と料金

初回・久々・旅行の利用

当日の目的、次の機会、移動や予算を確認

利用者像の整理。4区分の人数や割合を示す分布図ではない。会員資格が不明な口コミをビジターへ分類していない。

資料 [1]

04

顔を覚えてもらえる喜びと、初めての人の居心地

4回目の来場で、最初に話したポーターに覚えてもらっていたという投稿があった。別の初来場者は、名前を使った丁寧な案内、料理、価格を評価し、次の予約もしたと書いている。顔なじみになる前の人にも、関係が始まる場面がある。

ただ、常連への親しさが周りには違うものに見えることもある。レストランで料理や飲み物を待たされた人が、常連らしい客への接客は手厚いと感じ、同じお金を払うなら別のゴルフ場を選ぶと書いていた。投稿者の受け止めだが、常連を大事にする運営が、新しい客の居心地にも関わることは見逃せない。

対応は一つの場面だけでも評価が変わる。普段は顔を覚えたスタッフの声かけを喜んでいる人が、その日は自動チェックインとフロントの案内が食い違い、強い言い方をされて朝から不快になったと述べていた。誰か一人の接客がよくても、受付から帰りまで同じように安心して使えるとは限らない。

必要なのは、顔なじみへの会話をなくすことではなく、初めての客にも説明や順番、困った時の対応が届くことだ。会員・ビジターの区別を保ちながら、基本の接遇をどうそろえるかが、繰り返し使いたくなる雰囲気に関わる。

口コミからの整理

同じ接客でも、立場によって見え方が変わる

顔を覚えてもらった人

  1. 少し間を空けて再訪会員ではない常連と自称
  2. スタッフが気付く久しぶりの来場として声をかける
  3. 自分の場所と感じる料理や居心地とともに再訪の魅力へ

待っていた人

  1. 料理・飲み物を待つ注文や提供への不満
  2. 常連らしい客への接客を見る自分との扱いに差を感じる
  3. 別のコースを考える投稿者が利用先を変える意向
匿名事例E01・E02を並べた図。別の人・別の体験で、同じ施設の比較ではない。いずれも投稿者の認識。

資料 [1]

05

攻略したい難しさと、待っている整備の回復

グリーンで何度も失敗したから、練習してまた挑む。毎月回っても攻略が面白く、飽きない。そんな投稿がある。同じコースを知るほど楽しみが増す人にとって、難しさは次の予約の理由にもなる。よいスコアが出たかだけでは、そのコースの評価を説明できない。

一方、以前は頻繁に使っていた人が、グリーンの傷み以降しばらく足が遠のいたと書いていた。久しぶりに訪れると補修されており、再び通いたいと述べている。本人の記述には、利用していた時期、離れていた理由、戻ってきた時の変化がある。

別の投稿者は、食事の提供が以前よりよくなったことを認めながら、プレーの待ちが長いため、口コミで改善を確認できるまで様子を見るとしていた。一つの項目をよくしても、本人にとって大きい問題が残れば、すぐには戻らない。

会員には以前からの整備水準やクラブの雰囲気との比較があり、常連ビジターにも自分の基準がある。難しいコースを易しくすること、芝の状態を回復させること、詰まらず回れるようにすること。それぞれ、どんな理由で通っていた人に向けた改善なのかを見極めたい。

口コミからの整理

利用の間が空いてから、また通いたくなるまで

  1. 頻繁に利用以前は繰り返し通っていた
  2. 利用の間が空くグリーンの傷みが気になった
  3. 再訪して状態を確認補修後のグリーンを評価
  4. また通いたいその後の実来場は未確認

最後に確認できるのは「また通いたい」という意向。

匿名事例E04の一人の回想を要約。再訪のきっかけや、その後の継続利用は未確認。

資料 [1]

06

早く回りたい人と、食事まで楽しみたい人

早いスタートからスムーズに回り、午前中に帰路につけたことを喜ぶ投稿がある。雨予報の日にスルーへ対応してもらい、正午に終えられたことへ感謝する声もあった。午後に予定がある人や、短時間で楽しみたい人には、終わる時刻を読めることが大きい。

反対に、昼食をゆっくり楽しみたい人は、料理が届くのが遅く、談笑する時間が取れないことに不満を述べていた。プレーで長く待ち、昼休憩だけ短いという組み合わせもある。単に一日の時間を短くすれば済む話ではない。

旅行者の投稿には、前後半とも時間がかかったと書きながら、景観と写真撮影がよい思い出になり、ラウンドの価値を認める例があった。だから遅くてよい、ということではない。その日に何をしに来たか、何を楽しみにしていたかで、同じ所要時間の受け止めが変わる。

R&Aも進行を、客の行動、スタート間隔、組人数、コース設定、現場の管理に分けて扱っている。普段使いの早いラウンド、食事を含むコンペ、旅行の一日を同じ時間帯に詰め込めば、期待がぶつかる。売るプランと実際の回り方を合わせることが、再訪を考える前提になる。

口コミからの整理

どの時間を楽しみに来ているか

短時間でプレー

ラウンドを楽しむ

終わる時刻・スルー・帰宅後の予定

食事と交流も楽しむ

同伴者と一日を過ごす

提供の早さ・食事と会話の余裕

旅行の思い出を作る

景観・写真・同行者との体験

旅程全体・次の旅行で選ぶか
複数の口コミにみられた利用目的の例。箱の幅や配置は所要時間・人数・重要度を表さない。遅延を肯定する図ではない。

資料 [1][7]

07

一人が好きでも、仲間が次を決めることがある

毎月通っていた人が、受付とレストランの対応に不満を持った。投稿には、同伴者から次週は別の場所へ変えてほしいと言われ、当面は行かないという意向も書かれていた。常連一人の不満が、その人が連れてくる組の予定にも波及し得る。

反対の動きもある。夫婦が馴染みのコースに先輩を招待し、初めての同伴者から次もここでと喜ばれて安心した、という投稿があった。コースへの信頼は、自分が満足することに加え、人を連れてきてよかったという体験でも積み重なる。

接待なら、料理や整備がよくても、相手の前で気まずい対応があれば次には選びにくい。会員が知人を誘う場合も、ゲスト料金、予約条件、初めての人への案内まで含めて使い勝手になる。

予約代表者だけを見ていると、この関係は追いにくい。いつもの代表者が予約しなくなっても、同伴者として来ているかもしれない。次の予約を決めているのは誰か、誰を連れてくるか。口コミの中にも、そうした選択の経緯が書かれている。

編集部の整理

次の予約を決めるのは、一人とは限らない

今回のプレーと接客を、一緒に体験する本人・家族・友人・取引先

同伴者に喜ばれた

連れてきてよかったと安心する

次も誘う・別の人を紹介する

同伴者が不満を持った

次回は別の場所へ変えてほしい

組の次の候補が変わる

代表者の予約と、同伴者としての再訪を分けて追う。

本文の幹事・同伴者の事例を編集部が整理。全ての利用者がこの経路をたどるという因果モデルではない。

資料 [1]

08

複数年の数字は、誰の利用が変わったかを分けて読む

経産省の調査対象事業所では、会員の延べ利用は2021年の約322万人から2024年の約296万人へ減り、同じ期間の非会員は約704万人から約735万人へ増えた。合計利用だけでは、会員の使い方がどう変わったかは見えにくい。これは全国の会員人数や、同じ施設群の再来場率を表す統計ではない。

会員と非会員の利用は、同じ動きではない

調査対象事業所の延べ利用。単位:万人。横棒は両区分とも0〜800万人。

会員非会員
2019年
269.04
660.57
2020年
291.92
599.33
2021年
321.59
704.17
2022年
314.66
738.46
2023年
305.31
745.15
2024年
296.28
734.88
経済産業省の年次実数より作成。人ではなく利用回数を含む延べ集計。2024年12月で同調査は終了し、別制度の統計を継ぎ足していない。

運営側の施策も動いている。PGMは2022年に予約・チェックイン・ポイントをつないだ仕組みを開始し、2024年には送風機付きカート4,000台の導入を公表。アコーディアは2025年に全172カ所への導入完了を発表した。福岡国際CCでは会員の予約開始時刻も変えた。

食事、暑さ、予約、受付。手を入れられる場所は多い。ただし、個々の導入で何人が戻ったかは、公表された設備数だけでは分からない。今回のGD口コミでも、同じ929コースの9月を2年で比べたが、語句の言及率を、満足や再来場の増減には置き換えていない。

資料 [2][3][9][12][13][4][1]

09

何を楽しみに通い、何があると来られなくなるのか

今回の事例を重ねると、通う理由は一つではなかった。攻略の楽しみ、好きな食事、練習、顔なじみ、仲間と過ごす時間。それらを、予約、支払総額、人数、移動、体力、終わる時刻が支えている。気に入っている理由と、実際に来る条件の両方がそろう必要がある。

メンバーには、会費を払い、自分のクラブとして使う意味が続いているか。ビジターには、その日の候補の中から、仲間を誘って次も選べるか。常連ビジターとほとんど来ないメンバーもいるので、資格と利用の実態は別に見る。

全部を豪華にする必要があるのかも、利用目的による。プレー中心の簡素な営業を好む人もいれば、食事や風呂まで楽しむ人もいる。どんな一日を提供するかを決め、その説明と実際をそろえ、繰り返す人が頼りにしている部分を保つ。

次に調べたいのは、点数を何点上げるかだけではない。通っていた人がなぜ間を空けたか、何が変われば戻るか、来たいのに何で来られないか。会員や常連の言葉をそこまで読むと、集客の広告を増やす前に直すべきことも、残しておくべき魅力も具体的になる。

編集部の整理

通っていた人が、今は何を待っているのか

  1. 通う理由を聞く攻略・食事・仲間・居心地
  2. 来なくなった経緯を聞く不満/予約/人数/予算/生活の変化
  3. 理由に合う対応をする整備・案内・枠や条件の見直し
  4. 次の利用で確かめる予約だけでなく、実来場とその後を確認
記事を踏まえた運営点検の提案。実施済みの施策や、改善効果を測った結果ではない。

資料 [1]

出典・参考資料

  1. GD編集部 保存口コミ集計・匿名事例精読(2026年10月16日までの保存標本)確認日:2026年10月29日
  2. 経済産業省 特定サービス産業動態統計・長期時系列年次実数(2019〜2024年)確認日:2026年10月29日
  3. 経済産業省 特定サービス産業動態統計の終了案内確認日:2026年10月29日
  4. PGMコース メンバーのWeb予約開始時刻変更(2025年7月9日)確認日:2026年10月29日
  5. PGM予約開始時刻変更を行ったコースの公式案内確認日:2026年10月29日
  6. 太平洋クラブ御殿場コース 料金・会員とゲストの利用条件確認日:2026年10月29日
  7. R&A Pace of Play Manual・運営とスタート間隔確認日:2026年10月29日
  8. 早来カントリー倶楽部 友の会会員限定月例杯・2026年日程確認日:2026年10月29日
  9. PGM 2022年4月1日ロイヤルティプログラム開始の発表確認日:2026年10月29日
  10. PGM Webステイタス規約・利用実績の付与条件確認日:2026年10月29日
  11. ベルビュー長尾ゴルフ倶楽部 公式・セルフと設備案内確認日:2026年10月29日
  12. PGM Cool Cart 4,000台・2024年夏イベントの発表確認日:2026年10月29日
  13. アコーディア Cool Cart全172カ所導入完了(2025年7月22日)確認日:2026年10月29日。公開抄録・ページ抽出で確認。
  14. GDO ゴルフ場を探すときに重視するポイント調査(2014年4月)確認日:2026年10月29日。公開抄録・ページ抽出で確認。
  15. GDO ゴルフ場選びのアンケート(2021年8月16日)確認日:2026年10月29日
  16. 2022年研究・会員権の有無とサービス品質、再利用意向(KCI掲載抄録)確認日:2026年10月29日。公開抄録・ページ抽出で確認。
  17. 楽天GORA クチコミ評価とコースの特徴の表示例確認日:2026年10月29日
  18. PGM Cool Cart 2026年の提供案内確認日:2026年10月29日
  19. GDO 2025年コスパランキング・集計期間の説明確認日:2026年10月29日
  20. GDO 2026年コスパランキング・集計期間の説明確認日:2026年10月29日
  21. 2026年研究・選択属性、満足、再訪意向(KCI掲載抄録)確認日:2026年10月29日。公開抄録・ページ抽出で確認。