ゴルフ業界分析

公表資料調査 · 2026年10月24日公開

GD RESEARCH · ゴルフ用品市場

ゴルフ用品メーカーの規模と市場の動き

公表資料で確認できる会社・事業から、規模と数年の変化を追ってみる。

GOLF DNA編集部 · 調査 2026年10月23日 · 改稿・換算確認 10月24日

JAPAN GOLF EQUIPMENT MARKET

日本の用品市場は、
2022年から縮小。

2,933億円

2024年 · メーカー国内売上
2022年からの2年間で −5.1%

2022年
3,092.0億円
2023年
3,087.2億円
2024年
2,933.3億円

各社の世界売上とは、集計範囲が異なる。

矢野経済研究所の国内ゴルフ用品市場推計から作図。棒は0を基準とし、横幅の上限は3,200億円。定義と出典 →

ゴルフ用品の市場はどれほど大きく、ここ数年でどう変わったのか。調査会社の公表資料と企業の決算を使い、数字を確認できる会社・事業から、その規模と推移を追ってみる。

日本の用品市場は2022年の3,092億円から、2024年には2,933億円へ縮小した。一方、世界各地へ商品を売るメーカーでは、売上を伸ばした会社もある。タイトリストやフットジョイを展開するアクシネットの2025年売上は約4,016億円(25.59億米ドル)。2023年からの2年間で約7.4%増えた。

国内市場の変化と、世界で事業を営む各社の変化を分けて見る。すると「ゴルフ用品は全体に売れなくなっている」「どのメーカーも好調」といった一括りでは捉えられない動きが見えてくる。

円概算は10月24日に確認した直近営業日10月23日の参考レート、1米ドル約156.95円、1台湾ドル約4.83円で計算した。各年とも同じレートで円換算している。換算に使った公表レート

日本市場

日本市場はコロナ期に拡大し、2024年に縮小した

矢野経済研究所による国内ゴルフ用品市場は、次のように推移した。クラブ、ボール、ウェア、シューズ、バッグなどを合わせたメーカーの国内売上で、ゴルフ場のプレー代や中古品は含まない。

暦年国内用品市場前年からの増減
2019年2,653.3億円コロナ前の比較基準
2022年3,092.0億円+12.0%
2023年3,087.2億円−0.2%
2024年2,933.3億円−5.0%

2022年から2024年までの2年間では約5.1%の減少。ただし、コロナ前の2019年よりは約10.6%大きい。コロナ期に拡大した市場が、その後に縮小してきたという流れになる。

店頭で売れた数にも厳しさがある。NIQ/GfK Japanによると、2024年は多くの品目で販売数量が減ったが、平均単価の上昇に支えられ、対象5品目の小売販売金額は前年並みだった。金額が横ばいでも、同じ数が売れていたわけではない。

NIQの小売実売と矢野のメーカー国内売上は、対象品目と販売段階が異なる。国内2025年の実績総額は今回の無料公開資料では取得できていないため、実績を比較できる2024年までを示した。国内市場の定義と出典

米国の大手

アクシネットは約4,016億円へ増収。キャロウェイは約3,233億円へ減収

米国のアクシネットとキャロウェイには、比較可能な2023〜2025年の決算がある。全社の売上を3年並べると、規模だけでなく、進んだ方向の違いも分かる。

会社・範囲2023年2024年2025年2年増減
アクシネット・連結全社約3,739億円(23.82億米ドル)約3,856億円(24.57億米ドル)約4,016億円(25.59億米ドル)+7.4%
キャロウェイ・連結継続事業約3,347億円(21.33億米ドル)約3,261億円(20.78億米ドル)約3,233億円(20.60億米ドル)-3.4%

アクシネットは約3,739億円から約4,016億円へ、2年間で7.4%増収した。タイトリストのボール・クラブ、ボーケイのウェッジ、スコッティ・キャメロンのパター、フットジョイの靴・手袋・ウェアなどを展開する企業グループだ。

一方、キャロウェイの継続事業売上は約3,347億円から約3,233億円へ3.4%減った。こちらにはキャロウェイとオデッセイの用品に加え、TravisMathewやOGIOなども含む。売却対象になったTopgolfなどを除いた、同じ継続事業の範囲で比較している。

同じアクシネットの中でも、商品の動きはそろわない。タイトリスト用品部門の売上は2023〜2025年に12.4%増え、2025年は約2,505億円(15.96億米ドル)。フットジョイの靴・ウェア等の部門は同じ期間に3.4%減り、約894億円(5.70億米ドル)だった。

大手の売上が伸びても、すべての商品が同じように売れているとは限らない。この表は資料を確認できた2社の比較であり、PINGやテーラーメイドを含めた全メーカーの売上順位ではない。年次財務と事業範囲

日本の企業

日本のメーカーも、3年を並べると違いが出る

日本企業では、本間ゴルフ、ONOFFを展開するグローブライドのゴルフ事業、シャフトメーカーのグラファイトデザインを見てみる。各行は同じ会社・事業の推移で、3月期と2月期の違いは表に示した。

会社・事業/決算期2024年2025年2026年2年増減
本間ゴルフ・連結/3月期262.2億円216.7億円222.6億円-15.1%
グローブライド・ゴルフ事業/3月期64.2億円64.4億円61.3億円-4.5%
グラファイトデザイン・単体/2月期26.5億円30.7億円27.1億円+2.2%

本間ゴルフは262.2億円から216.7億円へ減った後、222.6億円へ戻した。ただし、最初の年と比べれば15.1%小さい。直近の1年だけなら増収だが、3年の並びでは以前の水準まで回復していない。

グローブライドのゴルフ事業は64億円前後で推移した後、61.3億円へ減少した。グラファイトデザインは26.5億円から30.7億円へ増え、翌年に27.1億円へ減っている。こちらも、どの年と比べるかで印象が変わる。

会社全体とゴルフ事業の区別も必要だ。ミズノは2026年3月期の全社売上が2,590億円、そのうちゴルフ商品群が364億円で約14%。ゴルフ商品群だけで、本間ゴルフの連結売上を上回る規模を持つ。ただし、今回そろえられた同一定義のゴルフ商品群の数字は1期分なので、ミズノを上の3年比較へ混ぜてはいない。

グローブライドも全社売上は約1,270億円あるが、ゴルフ事業は61.3億円。会社の売上をそのまま一つのゴルフブランドの売上として読むと、規模を大きく取り違える。日本企業の原数値と注記

台湾の製造会社

台湾の製造会社では、ゴルフ部門の売上が増えている

完成品を売るブランドのほかに、製造を受け持つ大きな企業がある。台湾の復盛應用と大田精密は、他社ブランド向けの受託製造や設計・開発を担うOEM・ODM企業だ。両社のゴルフ部門の外部顧客向け売上も、3年で比べられる。

製造会社のゴルフ部門2023年2024年2025年2年増減
復盛應用・外部売上約1,020億円(211.17億台湾ドル)約1,179億円(244.10億台湾ドル)約1,208億円(250.11億台湾ドル)+18.4%
大田精密・外部売上約189億円(39.23億台湾ドル)約207億円(42.89億台湾ドル)約209億円(43.19億台湾ドル)+10.1%

復盛のゴルフ部門は約1,020億円から約1,208億円へ18.4%増えた。大田は約189億円から約209億円へ10.1%増えている。ブランドのロゴが表に出る完成品メーカーだけでなく、製造を担う側にもこれだけの事業規模がある。

復盛はゴルフクラブのヘッドやシャフトを製造する。大田は金属の精密鋳造と複合材料を中核技術に挙げ、中国とベトナムを主要な生産拠点としている。ここで示した両社の部門売上は、社内部門間の取引を除いた数字だ。

この増収を、そのまま日本市場の回復とは読めない。日本の市場統計と、海外を含む顧客へ供給する製造会社の売上では対象が違う。また、復盛・大田と個別ブランドの現在の発注関係は、今回の資料では特定していない。OEM部門の3年比較と出典

用品を支える仕事

ブランド、部材、工場は、違う仕事で用品を支えている

タイトリストのような完成品ブランドに対し、VENTUSを作る藤倉コンポジット、Tour ADを展開するグラファイトデザイン、日本シャフトなどは、装着するシャフトを担う。日本シャフトは公式のOEMパートナーとしてCallaway、PING、TaylorMade、Titleistなどを挙げている。

製造の持ち方も商品によって違う。アクシネットは米国2拠点、タイ1拠点に自社運営のボール工場を持つ。同じグループのフットジョイは、靴のほぼ全量を提携先のベトナム工場を通じて調達する。

ブランド側には、製造以外の仕事もある。タイトリスト用品部門の2025年決算を売上100の割合へ直すと、次のようになる。

売上100に対する内訳割合
製造原価などの売上原価49.5
広告宣伝11.4
研究開発4.2
販売費・一般管理費19.1
その他の部門項目0.5
部門営業利益15.3

この部門だけで、広告宣伝費は年間約286億円(1.82億米ドル)、研究開発費は約105億円(0.67億米ドル)にのぼる。売上原価を引いた段階では約50.5が残るが、開発、宣伝、販売や管理の費用を賄った後の部門営業利益は15.3になる。会社全体の純利益とは別の数字だ。

日本市場はコロナ期の拡大後に縮小し、企業ごとの売上は増減が分かれた。製品を売るブランド、部材を供給するメーカー、製造を引き受けるOEMを分け、数年の数字を追うことで、どの規模の事業がどちらへ動いているかを捉えられる。製造体制と費用の根拠


調査について:対象は公表資料で確認できた企業・事業。各社の世界売上と日本国内の市場総額は分けて扱い、合算して市場規模やシェアを作っていない。円概算は各年度とも同じ10月23日の参考レートを使い、増減率は元通貨の金額から計算した。国内2025年実績総額と、世界2023〜2025年の同一定義の市場系列は未取得。全社・部門の年次表、比較条件、出典は詳細レポートに収録している。