ゴルフ業界分析

公表資料・GD工房DB集計 · 2026年10月29日公開

ゴルフ工房の仕事とお金

試打して組み、使ってもらって、調整する。その往復にかかる仕事と料金を調べた。

GOLF DNA編集部 · 調査 2026年10月29日

店で試しただけでは、まだ分からない

試打ではよかったのに、コースに持っていくと振りにくい。練習場では気にならなかったのに、ラウンドの後半になると重く感じる。クラブを作るときは、使ってみて初めて分かることがある。

そこで工房へ持ち帰る。どんな球が出たか、何が気になったかを伝え、測り直して調整する。もう一度使い、まだ合わなければまた相談する。最初の試打で仕様を決め、一本組んだところから、このやり取りが続く。

使った後の調整にも、人の時間と材料がかかる。最初の代金でどこまで受けてもらえるのか、追加料金はいくらか。工房を選ぶときは、シャフトの銘柄や交換工賃に加えて、ここも確かめたい。

使う → 持ち帰る → 調整する → また使う

相談から使用後の調整まで
  1. 話を聞き、今のクラブを測る

    困っていること・使い方・予算

  2. 試打して仕様を決め、組む

    まず使ってもらう一本を作る

  3. 練習やコースで使う

    普段の打ち方で感触を確かめる

  4. 店に戻り、結果を伝える

    球の出方・振りにくさを相談

  5. 測り直し、調整する

    前の仕様と比べて変更を残す

  6. もう一度使って確かめる

    残った違和感を次の調整へ

合わないところが残れば、店へ戻ってまた詰める。

納品後の使用と微調整を案内する工房の例をもとに作図。調整の回数・費用は店や注文内容で変わる。 [29] [30]

資料 [29] [30]

納品後の調整を、最初から約束している店もある

NEWSEATは、納品したクラブを実際に使ってもらい、その後に微調整すると案内している。部品代がかからない調整は無料。部品が要る場合は部品代を払う。クラブを渡した後の作業まで、店の案内に入っている。

も、納品時に打って確かめて微調整し、納品後も相談を受ける。球の出方や振り心地を聞き直し、今回作ったクラブを、その人が使えるように詰めていく。

ただ、再調整が全部無料というわけではない。は再調整に追加料金を設けている。調布スタジオの30日以内の交換対応も、何度でも無料で直すという制度とは違う。買う前に聞いておきたいのは、使った後に戻ってよいか、何を直せるか、その代金は最初の注文に入っているかだ。

使った後、どこまで直してもらえるか

納品後の対応を比べる
店公表している対応費用・対象の条件
NEWSEAT納品後、実際に使ってから微調整部品代がかからない調整は無料。部品が要る場合は部品代
SARIX GOLF STUDIO納品時に打って調整。納品後も相談・サポートこの案内には無料回数・期限の記載なし
Fusion Golf再調整は追加で同一料金と案内施工上の不具合は、現物確認のうえ再調整・再施工の案内もある
GOLF CITY通常使用による修理箇所の不具合は3か月の保証指定どおり調整後、使用時の違和感から希望する再調整は保証対象外
GP調布購入日から30日以内、1フィッティング1回まで交換対応商品の交換条件。何度でも無料で微調整する制度とは別
2026年10月29日に確認した案内。微調整、部品交換、施工不具合の保証は、それぞれ条件が違う。 [29] [30] [31] [14] [12]

資料 [29] [30] [31] [12]

1本330円の工賃だけで、店を続けられるのか

Bamboo、M’s Craft、G-Shot、ゴルフパートナー調布スタジオには、店で買ったグリップの交換工賃を1本330円とする料金がある。グリップ本体の代金は別だ。

工房は部品も売る。シャフトやグリップを仕入れて販売し、組み立てる。注文によってはフィッティング料も受け取る。その売上から、仕入れ、店の維持費、担当者が働く費用を払う。

買った後の調整を無料にする店でも、作業する人の時間はかかる。測り直し、打ってもらい、直して渡す。その分を最初の商品代や工賃でまかなうのか、再調整料を受け取るのか。目の前の330円だけでは、店の収支までは分からない。

部品を仕入れ、売り、作業する

仕事と支払いの関係図

メーカー・卸

シャフト・ヘッド・グリップ
部品や試打用の用品を供給

部品→← 仕入代金

工房・販売店

相談・計測・組立て・修理
販売の粗利と技術料が収入

商品・作業→← 商品代・工賃

ゴルファー

自分のクラブを使い続ける
買替え・部分交換・調整

持込み修理では、部品の購入先と作業を頼む店が分かれる。

各店のサービスと料金条件を編集部が整理。卸経由・直販・メーカー取寄せなど経路は異なり、仕入率や利益配分の実測図ではない。 [2] [12] [8]

資料 [6] [8] [9] [12] [29]

同じ交換でも、持込みだと工賃が変わる

店で買ったグリップは330円、持込みは550円。BambooとG-Shotには、この差がある。M’s Craftは330円と660円、調布スタジオは330円と770円。下巻きの追加などは別料金になる場合がある。

店で部品も買えば、店には販売分の粗利が残る。ネットなどで買った部品を持ち込むと、工房が受け取るのは主に作業代だ。M’s Craftは、自店でシャフトを購入した場合の工賃を商品代に含め、新品シャフトの持込みには追加工賃を設けている。

部品の値段だけを見て安く買っても、取付けまで頼んだ総額では差が縮む。さらに、使ってから調整を頼むときの条件も確かめたい。「どこで買い、どこで組み、その後どこへ相談するか」までが一つの注文になる。

同じ店でも、持込みと店頭購入で工賃が違う

集計・公表値
店で購入した品の交換持込み品の交換
Bamboo
330円
550円
M’s Craft
330円
660円
G-Shot
330円
550円
GP調布
330円
770円
グリップ交換1本の工賃・税込。グリップ本体代は別。2026年10月29日の公表料金。テープ追加・再利用等は別条件。選んだ4店の掲載例で、全国平均ではない。GP調布=ゴルフパートナー フィッティングスタジオ調布。 [6] [8] [9] [12]

資料 [6] [9] [8] [12]

フィッティング料は、購入後の対応と一緒に見る

PING直営はフィッティング無料。フジクラの相談室は、提案したシャフトを購入すると相談料が無料になる。GOLFTECには、クラブフィッティングだけを税込1万6,500円で受けるメニューがある。

何を試せるか、何分使うか、どのクラブを見るかが違う。メーカー直営なら、そのメーカーの製品から選ぶ。複数ブランドを扱う店でも、試打用の部品を何でもそろえているわけではない。

そして、診断の代金を払ったら、その後の再計測や調整はどこまで含まれるのか。商品を買って無料になった場合も同じだ。最初の相談料に加え、受け取ったクラブを使い始めてからの対応まで聞いておくと、料金の違いが分かりやすい。

初回フィッティング料の公表例

集計・公表値
PING直営
0円
ゴルフ5 TM
3,300円
フジクラ五反田
5,000円
チップゴルフ
10,000円
G-Shot
11,000円
GP調布
11,000円
GOLFTEC
16,500円

TM=テーラーメイド FITTING BASE。診断時間・購入特典を詳報で見る →

税込表記の公表例。ただしチップゴルフ1万円は公式ページに税区分の記載なし。0円はPING直営の無料枠。有料枠も、商品購入で免除・割引になる場合がある。所要時間も対象クラブも異なるため、同じサービスの価格比較・品質順位ではない。 [18] [13] [3] [4] [9] [12] [19]

資料 [18] [2] [19] [29]

GDの工房DBを集計すると、2,673件

GDの保存済み工房DBを集計した。重複や旧所在地の登録をまとめた掲載は2,673件で、47都道府県にある。独立工房のほか、量販店や練習場の中の工房も含む。

関東965件、近畿534件、中部485件。都道府県では東京319件、愛知212件、大阪208件が多かった。これはGDに載っている工房の数で、日本の工房をすべて数えたものではない。

フィッティングの記載を確認できたのは878件、弾道計測器は681件、両方は501件だった。書かれていなくても対応する店はあるので、未確認を「なし」とは数えていない。買った後の調整についても、対応する内容、料金、連絡先まで分かる情報を増やしたい。

GD掲載工房の地域別件数

GD工房DBの集計
北海道
91件
東北
133件
関東
965件
中部
485件
近畿
534件
中国
131件
四国
85件
九州・沖縄
249件
現行プロフィール2,673件の所在地を8地域へ集計。三重県は近畿に含める。人口やゴルフ利用者数で補正していない。地域の需要・店舗の充足度を表すものではない。 [1]

サービスの記載を確認できた件数

GD工房DBの集計
試打対応
947件
フィッティング
878件
弾道計測器
681件
練習場併設
540件
グリップ交換
468件
リシャフト
466件
予約対応
446件
クラブ修理
360件
ライ角調整
312件
ロフト調整
283件
持込対応
213件
即日対応
78件
分母は全2,673件。各項目は重複して数える。記載・確認がないことを、サービスなしとは扱わない。これは対応率の全数推計ではなく、確認できた掲載数。 [1]

資料 [1]

交換用シャフトの売れ方は変わってきた

藤倉コンポジットでは、国内売上に占める自社モデルの比率が2011年の34%から2025年の91%へ上がった。クラブメーカーの注文に応じるOEMから、ゴルファーがモデルを選ぶ売り方へ力を入れてきた。

ただ、関連する事業の売上は毎年増えているわけではない。同社のスポーツ用品売上は、2023年3月期129.01億円、翌期107.14億円、その後134.58億円、128.22億円と動く。海外とアウトドア用品も含む数字だ。

グラファイトデザインも、2023年2月期から翌期に売上が減った。一方、最新の2026年3〜8月は、前年同期間から42.9%増えている。同社は2025年に直営のフィッティング施設も開いた。部品を作る会社も、使い手が選ぶところまで関わるようになっている。

メーカーの売上には、新品クラブのカスタム注文や海外向けも入る。街の工房で何本交換されたかを直接示す数字ではないが、工房が扱う部品の商売の動きは追える。

藤倉・スポーツ用品の売上推移

集計・公表値
スポーツ用品の売上高推移・億円04080120160億円63.972019/358.902020/356.862021/391.192022/3129.012023/3107.142024/3134.582025/3128.222026/3
藤倉コンポジット、スポーツ用品セグメント。全世界・アウトドア用品を含む。2025年3月期は円換算方法の変更を反映した134.58億円。過年度は同社2026年説明資料の表示値で、全期間が同じ会計基準へ再計算された系列ではない。国内工房市場の規模・成長率には換算できない。 [22] [21]

藤倉の自社モデルとOEMの売上比率

集計・公表値
自社モデルOEM
日本 2011年
34%66%
日本 2025年
91%9%
米国 2011年
27%73%
米国 2025年
85%15%
藤倉の国内・米国それぞれの自社/OEM売上構成比。2026年決算説明資料p33。市場シェアではなく同社内の構成比。自社モデルには工房での交換以外の販売経路も含み、工房向け比率とはいえない。 [22]

グラファイトデザインの売上推移

集計・公表値

通期売上(億円)

2023年2月期・通期
35.51億円
2024年2月期・通期
26.52億円

中間期売上(億円・各6か月)

2025年3〜8月
13.13億円
2026年3〜8月
18.77億円
グラファイトデザイン。通期は2024年短信の比較、中間期は2026年10月14日発表の比較。通期と中間期は別の長さなので連結した折れ線にしない。公表の百万円表示を億円へ換算。メーカーの売上で、工房の売上ではない。 [24] [28]

資料 [22] [21] [24] [28] [27]

部品も、交換の作業代も上がっている

ゴルフパートナー春日部ユリノキ通り店は、2025年7月、店で購入したグリップの交換工賃を改定した。会員220円から330円、非会員330円から440円。持込み550円は据え置いた。店が挙げた理由は、溶剤とテープの費用増だった。

シャフトにも価格改定がある。グラファイトデザインのTOUR AD DIは、2023年10月の改定価格が税込換算4万6,200円、2026年9月の改定価格は4万9,500円。同じモデルでも仕入れる部品の値段が変わる。

Bamboo、工房井沢、M’s Craftなどの料金表にも、2024〜2026年の改定が記載されている。最初の組立てに加え、納品後の調整にも人と材料を使う。どこまでを一回の代金に含めるかは、店を続けるうえでも避けて通れない。

春日部ユリノキ通り店の工賃改定

集計・公表値
2025年6月まで2025年7月から
店頭購入・会員
220円
330円
店頭購入・非会員
330円
440円
持込み
550円
550円
ゴルフパートナー春日部ユリノキ通り店。グリップ交換1本の税込工賃。2025年6月5日告知、7月1日実施。購入品・会員条件をそろえた改定前後で、持込み550円は据置き。全店共通の改定ではない。 [10]

同じシャフトの価格改定

集計・公表値
2023年10月の改定価格2026年9月の改定価格
TOUR AD DI
46,200円
49,500円
RAUNE IRON 60/75/90
10,450円
12,100円
グラファイトデザインの2つの公式改定表を比較。税抜の希望小売価格に消費税10%を加えて表示。シャフト単体で、工賃込みの実売価格ではない。途中の全改定を追った連続指数ではない。 [25] [26]

資料 [10] [25] [26] [6] [7] [8]

買った後に、また相談できるか

ラウンドで何が起きたかを話し、そのクラブをもう一度見てもらう。前の重さや長さ、調整した内容が残っていれば、どこから変わったかを話せる。いきなり別のシャフトを買う前に、今の一本で直せるところを探すこともできる。

そのためには店に戻りやすい方がよい。遠くて通えない、担当者に話を伝えにくい、毎回の費用が分からない。そうなると、最初の試打がよくても、その後を詰めにくい。

工房の値段を比べるなら、売った後の調整まで含めて比べたい。一本作って渡すところだけを切り出すと、そこから先の仕事も、その店に頼む理由も抜け落ちてしまう。

資料 [29] [30]

出典・参考資料

  1. GD工房DB・現行プロフィールのローカル集計2026年10月17日生成の保存済み公開用カタログを、10月29日に現行の統合・所在地補正処理で集計。全国の全数調査ではない。
  2. フジクラ 相談室 フィッティング・加工費確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  3. フジクラ 相談室五反田店確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  4. チップゴルフ フィッティング確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  5. チップゴルフ 2025年料金改定確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  6. Bamboo 価格表・2024年改定確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  7. ゴルフ工房井沢 2025年料金表確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  8. M’s Craft 2026年工賃確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  9. ごるふ家G-Shot 料金確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  10. ゴルフパートナー春日部ユリノキ通り店 料金改定確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  11. ゴルフパートナー御殿場店 工賃改定確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  12. ゴルフパートナー調布 フィッティングスタジオ確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  13. ゴルフ5 テーラーメイド FITTING BASE確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  14. ゴルフシティ 工房確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  15. NIQ 2024年用品販売確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  16. 矢野経済研究所 2026年版ゴルフ産業白書 公開目次確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  17. JGA 用具規則確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  18. PING直営フィッティング・FAQ確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  19. GOLFTEC 現行料金確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  20. GDO フィッティングと販売の開始 2012年確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  21. 藤倉コンポジット 2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  22. 藤倉コンポジット 2026年3月期(第147期)決算説明資料確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  23. 藤倉コンポジット 2025年3月期決算短信・当初開示確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  24. グラファイトデザイン 2024年2月期決算短信確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  25. グラファイトデザイン 2023年10月価格改定確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  26. グラファイトデザイン 2026年9月価格改定確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  27. グラファイトデザイン 直営フィッティング施設開設発表・2025年9月確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  28. グラファイトデザイン 2027年2月期中間決算(2026年10月14日)確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  29. NEWSEAT・納品後の微調整確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  30. SARIX GOLF STUDIO・納品とアフターフィッティング確認日:2026年10月29日。公式公開資料。
  31. Fusion Golf・再調整と保証の条件確認日:2026年10月29日。公式公開資料。