ゴルフ百科事典

芝管理では、気温と地温をどう使い分ける?

芝草生理・温度管理

あとで読む保存した記事へ →

まず答え

気温は葉や地上部が受ける暑さ・寒さの目安、地温は根の生育や回復力を判断する重要な目安です。気温が下がっても地温が高ければの根はまだ強い暑熱ストレスを受けることがあり、逆に春は暖かい日が来ても地温が低ければ回復が遅いままです。どちらか一方ではなく両方を見ます。

詳しい解説

気温と地温は同じ方向に動くことが多いものの、芝にとって意味は同じではありません。気温は葉や芝面が受ける環境を把握するのに役立ち、地温は根域の温度を通じて根の生育、吸水・養分利用、回復速度などの判断材料になります。

気温は地上の環境、地温は根域の条件を把握する手掛かりです。気温が下がっても根域が高温の場合があります。図は測定対象の区別を示し、具体的な設置高さ・測定深さの基準ではありません。

夏のクリーピングベントグラスでは、この違いが特に重要です。USGAが紹介する研究では、高い温度が続くと根と地上部の生育が低下し、根が浅くなります。送風機で土壌温度を下げると根長や根量が改善した試験もあります。夕方に気温が少し下がっても、根域が高温のままなら芝は十分に回復しているとは限りません。

春や更新作業後は逆の場面があります。日中の気温が暖かくなっても、地温がまだ低ければ寒地型芝の生育や傷の回復は鈍いままです。USGAは、冷涼地の春に地温が十分上がるまでベントグラスの生育・回復が遅れる例を示しています。

また、によって好む温度帯が違います。寒地型芝と暖地型芝では、同じ気温・地温でも生育反応が異なるため、数値だけで『何度なら必ず作業する』と固定するのは適切ではありません。

実務では、気温を天候と地上部ストレスの指標、地温を根域の生育・回復条件の指標として併用します。刈込み、更新作業、散水、送風、施肥などの強度を決めるときは、芝種と実際の芝の反応も一緒に確認します。