芝にも、 細菌が 原因の 病気は ある?
芝病害
まず答え
あります。クリーピングベントグラスでは、Acidovorax属などの細菌が黄化・異常伸長・衰弱を起こす例が確認されています。ただし、似た症状は暑熱や乾燥、栄養障害でも出るため、見た目だけで細菌病とは判断できません。
詳しい解説
芝の病気というと真菌を思い浮かべやすいですが、細菌が病原体になる例もあります。
クリーピングベントグラスでは、2009年に米国のパッティンググリーンから、黄化、しおれ、葉先からの壊死、芝の薄化を示す症状が報告されました。分離したAcidovorax属細菌を接種すると症状が再現され、細菌病として報告されています。その後の研究でも、Acidovorax avenaeやXanthomonas translucensなどが、茎葉が異常に伸びて黄化する「細菌性エチオレーション」や衰弱に関与することが確認されました。
ただし、症状が似ているからといって細菌病と決めつけることはできません。2010~2014年に症状のあるクリーピングベントグラス62地点を調べた研究では、Acidovorax avenaeまたはXanthomonas translucensが分離されたのは26%で、ほかにも多様な細菌が検出されました。病原性試験ではPantoea ananatisの一部系統もベントグラスへ感染できましたが、同じ細菌名でも系統によって病原性が異なりました。
つまり、黄化・徒長・衰弱が見えた時に「細菌がいる=原因」とは言えません。高温、乾燥、薬害、栄養障害、真菌病などでも似た症状が出るため、症状の出方、発生時期、環境条件を確認し、必要なら診断機関で分離・同定や病原性の評価を行います。
細菌病は芝では存在しますが、見た目だけでの確定診断が難しい分野です。まず非感染性障害や真菌病も含めて切り分けるのが基本です。