ゴルフ百科事典

同じ総重量のクラブでも、ヘッドの重さの感じ方が違うことはある?

クラブ慣性感覚・重量配分

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まず答え

あります。総重量が同じでも、重さがヘッド側・シャフト途中・手元側のどこに配分されているかで、振ったときの回しにくさやヘッドの存在感は変わります。ただし小さな差は感じ取れない人もいるため、感覚だけでなくや速度も合わせて比べます。

詳しい解説

クラブの総重量は「全部で何グラムか」を示しますが、振ったときの重さの感じ方までは決めません。同じ重量でも、その重さがグリップ側に集まっているか、ヘッド側に集まっているかで、クラブを回転させるために必要な力が変わるからです。

同じ総重量でも、基準軸から遠い位置へ質量が寄ると、その軸まわりの慣性モーメントは大きくなります。クラブ全体の回転慣性、スイングウェイト、本人の感じ方は同じ量ではありません。図はクラブの形や数値を再現したものではなく、実打の優劣を決める図でもありません。

この違いを見る代表的な指標がや、グリップ側を基準にしたクラブ全体の慣性モーメントです。どちらも総重量そのものとは別に、クラブの長さ方向へ重さがどう配置されているかを反映します。一般に同じ総重量なら、より先端側へ質量があるほど回転させにくくなり、ヘッド側を重く感じやすい方向になります。

Turnerらの実験では、ほぼ同じ総重量の2本のドライバーで約50gの追加質量を置く場所だけを変えました。手元側へ置いた条件と、シャフトの先端寄りへ置いた条件では、クラブ全体の慣性モーメントとスイングウェイトが大きく変わり、先端側へ質量を移した条件ではクラブヘッド速度や身体・手首の動きにも差が出ました。これは、総重量だけではスイング時の負荷を説明できないことを示しています。

一方で、「数値が違えば必ず本人が違いを感じる」とも限りません。Harperらが30人の熟練ゴルファーに異なるスイングウェイトのドライバーを打たせた研究では、小さなスイングウェイト差は多くの参加者が明確に識別できず、性能への影響も限定的でした。感じ取れる差には個人差があります。

また、ヘッド重量そのものが同じでも、シャフトの重量分布やグリップ重量、クラブ長が違えば、完成クラブのスイングウェイトや慣性モーメントは変わります。そのため「総重量310gだから同じ振り感」「ヘッド重量が同じだから同じヘッド感」とは決められません。

実用上は、総重量だけでなくスイングウェイトやクラブ全体の慣性モーメントを確認し、同じ条件で複数球を打って、ヘッドの感じやすさ、クラブヘッド速度、打点、左右の散らばりを比べます。感覚の違いが実際の打点や結果にもつながっているかを見ると、単なる好みと性能差を分けやすくなります。