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耐暑性と耐寒性を、1つの芝品種で両立するのは難しい?

芝草育種・遺伝学

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まず答え

難しいですが、不可能ではありません。暖地型芝は暑さに強い一方で低温が弱点になりやすく、寒地型芝は高温ストレスを受けやすい傾向があります。ただし育種によって、暑さへの適応を保ちながら耐寒性を高めた品種も作られています。

詳しい解説

芝草は気候への適応範囲が種類ごとに大きく違います。一般にやゾイシアなどの暖地型芝は高温期に強く、少ない水でも性能を出しやすい一方、低温や凍結が利用地域を制限します。逆にやなどの寒地型芝は低温期に生育しやすいものの、猛暑では水・病害・管理負担が増えやすくなります。

このため、1品種で真夏の高温と厳しい冬の両方に最高レベルで耐えるのは育種上の難しい課題です。ただし「暑さに強くすれば必ず寒さに弱くなる」という単純な一対一の関係ではありません。USGAが支援したバミューダグラス育種では、暖地型芝としての夏季性能を持ちながら耐寒性を高めたLatitude 36、NorthBridge、Tahoma 31などが開発され、従来より北の地域でも利用範囲が広がっています。

ゾイシアでも、品質、耐寒性、病害虫抵抗性など複数の形質を同時に改善する交配と選抜が続いています。実際の育種では数千の系統を複数地域で評価し、冬越し、夏の品質、回復力、病害などを総合して候補を絞ります。

したがって、耐暑性と耐寒性の両立は「できる・できない」の二択ではなく、どこまで両方を高められるかという最適化です。地域選定では品種名だけでなく、現地の最低気温・最高気温、日照、降水、利用強度、管理水準に近い試験地での成績を見ることが重要です。