得意な 練習だけを 繰り返しても、 ゴルフの 熟達に つながる?
練習設計・熟達
まず答え
得意な練習だけでも動きの維持や自信には役立ちますが、それだけで長期的な熟達に十分とは言いにくいです。上達を狙うなら、現在の弱点や少し難しい課題を選び、結果を確認して修正する練習も混ぜる方が合理的です。
詳しい解説
得意な練習は、すでにできる動きを安定させたり、感覚を整えたりするには使えます。ただし、熟達を「今よりできることを増やすこと」と考えるなら、成功しやすい課題だけを繰り返すだけでは改善の余地が小さくなります。
Ericssonらが整理した「意図的練習」は、単に長時間反復することではなく、現在の能力を伸ばすために明確な改善目標を置き、集中して取り組み、結果の情報を得て修正する練習です。得意なことを気持ちよく繰り返す練習とは目的が異なります。
ゴルフでも、Haymanらはエリートを目指す若年ゴルファーに13週間のパッティングの意図的練習を導入し、介入期間のパッティング成績が基準期間より改善したと報告しています。この研究は少人数の単一事例型設計で、すべてのゴルファーや全ショットへそのまま一般化できませんが、課題を絞って改善を狙う練習が実際のゴルフ技能でも機能し得ることを示しています。
実践では、練習をすべて苦手課題にする必要はありません。得意な課題で感覚を整える時間と、弱点や少し難しい条件を狙う時間を分けます。例えば「得意な7番アイアンを同じライから打つ」だけで終えず、「右プッシュが出る条件」「距離のばらつきが大きい番手」「苦手な短いパット」など、改善対象を1つ決め、成功率や球筋を確認しながら修正します。
したがって、得意な練習だけでも練習したことにはなりますが、熟達を進めるには、できることの反復だけでなく、まだ安定していない課題への意図的な挑戦とフィードバックを組み合わせる方が適切です。