ゴルフ百科事典

「意図的練習」は、ただ難しい練習を続ければいいという意味?

意図的練習・熟達

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まず答え

いいえ。難しいだけでは意図的練習とはいえません。元の定義では、十分な専門性を持つ指導者が個人の課題に合わせて練習を設計し、明確な目標・集中・フィードバック・修正を組み合わせます。自分で目標を立てた練習も役立ちますが、元の厳密な定義とは区別します。

詳しい解説

「意図的練習」は、難しい課題を我慢して続けることと同じではありません。提唱者のK. Anders Ericssonらの元の定義では、十分な専門性を持つ指導者がその人の弱点と水準を評価し、効果の分かっている課題を個別に設計することが重要です。そのうえで、学習者は明確な目標を持ち、集中して反復し、結果のフィードバックから修正します。自分で目標を決めて同様に取り組む練習は「目的を持った練習」と整理でき、元の厳密な意図的練習と同一とは限りません。

EricssonとHarwellの2019年論文は、意図的練習を単なる練習時間ではなく、集中、分析、問題解決を含む「練習の質」として測る必要があると説明しています。また、スポーツ分野についてEricssonは、一般に「練習」と呼ばれる活動の中には、元の意図的練習の条件を満たさないものが多く、似た活動をすべて同じ名前で扱うべきではないと指摘しています。

ゴルフなら、例えば指導者が「7番アイアンのがトウ側へずれる」原因を評価して個別課題を組み、学習者が打点を確認できる方法を使い、数球ごとに結果を見てアドレスや動きを修正し、狙った変化が起きたかを再確認する、という形が近くなります。重要なのは、難易度そのものより「何を改善するか」「結果をどう確認するか」「次の試行で何を変えるか」が明確なことです。

反対に、目的が曖昧なまま球数だけ増やす、疲れて集中できない状態で繰り返す、失敗しても原因や結果を確認しない、毎回同じ得意な課題だけをこなす、といった練習は、たとえ時間が長くても意図的練習とは区別して考えた方がよいです。

ただし、意図的練習をすれば誰でも同じ到達点まで行ける、練習量だけで上達の差をすべて説明できる、という意味でもありません。2019年の追試では、練習量と技能水準の関係は確認されたものの、元研究ほど大きな差は再現されませんでした。したがって「難しい練習を大量にやれば上級者になれる」ではなく、指導者による個別設計と、明確な課題・集中・フィードバック・修正を含む練習として理解するのが適切です。