ゴルフ百科事典

上級者は、関節の動きが毎回少し違ってもクラブヘッドの向きを安定させやすい?

運動シナジー・ばらつき

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まず答え

「毎回まったく同じ関節運動をするから安定する」というより、結果を乱しにくい組み合わせで身体の自由度を使う傾向が報告されています。2016年研究では、上級者ほどクラブヘッドの向きなどに対して、結果へ影響しない方向の身体運動ばらつきの割合が高く、が確認されました。ただし、クラブヘッドの向き自体のばらつきが常に小さいという意味ではありません。

詳しい解説

ゴルフでは、肩・肘・手首など多数の関節が同時に動くため、毎回すべての関節角度を完全に同じにする必要はありません。重要なのは、身体の動きが少し違っても、最終的なクラブヘッドの状態を大きく乱さない組み合わせを作れるかです。

同じ先端位置へ届く複数の組み合わせがあることを示す二本棒の機械的な例です。この例は先端の向きをそろえておらず、人体関節、クラブヘッドの3D姿勢や研究のシナジーの有無を再現しません。

Morrisonらの2016年研究は、上級者と中級者のスイングを「非制御多様体」という方法で解析しました。これは、身体の自由度のばらつきを、クラブヘッドの向きや位置などの結果を変えにくいばらつきと、結果を変えやすいばらつきに分けて評価する方法です。

その結果、上級者は中級者より、測定したすべての結果変数で「結果を乱さない方向」のばらつきの割合が高く、クラブヘッドの向きと複合的な結果では運動シナジーが確認されました。一方、クラブヘッド位置では同じシナジーは確認されませんでした。

注意したいのは、上級者ほどクラブヘッドの向きのばらつきが単純に小さい、という結果ではないことです。クラブヘッド位置のばらつきはインパクトへ近づくほど小さくなりましたが、向きのばらつきはインパクト付近で増える傾向も報告されています。つまり上級者の特徴は「身体を毎回コピーすること」より、身体の複数の自由度を使いながら必要な結果を保つ制御にある可能性があります。

横断比較なので、この協調を意識的に真似すれば上達するという因果は示していません。実用上は、身体各部の再現性だけを追うより、多少の動きの違いがあってもクラブヘッド位置・向き・打球が安定するかを一緒に見る方が適切です。