HRVを 見るなら、 他人の 基準値より 自分の 普段の 値との 変化を 見た 方が いい?
HRV・回復モニタリング
まず答え
日々のコンディションを見る目的なら、まず自分の普段の値からの変化を見る方が実用的です。HRVは個人差が大きく、同じ人でも測定姿勢・時刻・睡眠・負荷などで変わるため、同条件で測った自分の基準帯と比べます。ただし、医療上の正常・異常判定を自己基準だけで行うものではありません。
詳しい解説
HRV(心拍変動)は、心拍と心拍の間隔がどの程度変化しているかを見る指標です。スポーツ現場では回復や負荷への反応を見る材料として使われますが、数値にはかなり個人差があります。
75人の健康な日本人男性を複数回測定した研究では、HRVには人と人の間の差と、同じ人の中での日ごとの変動の両方があることが示されています。つまり、他人の「高い・低い」という絶対値だけで自分の状態を判断すると、もともとの個人差を状態変化と取り違える可能性があります。
アスリートを日々追跡した研究でも、HRVはチーム平均だけでなく個人内の変化として評価されています。女子サッカー選手の研究では、各選手のベースラインからのlnRMSSDの変化や日々の変動幅を追い、疲労やトレーニング負荷との関係を個人単位で解釈しました。別の競泳選手の研究でも、HRV単独ではなく、睡眠・疲労・ストレスなど本人の普段からの変化と組み合わせることが勧められています。
実践では、①同じ機器、②同じ姿勢、③できるだけ同じ時刻、④起床後など似た条件、で数日〜数週間測り、自分の通常範囲を作ります。そのうえで1日の値だけに反応せず、数日平均や変動の傾向、睡眠・疲労感・練習量と一緒に見ます。
したがって、ゴルフの練習量や遠征後の回復を見る用途では「他人よりHRVが高いか」より「自分の普段からどれだけ変わったか」の方が判断材料になりやすいです。ただし、HRVだけで体調不良や病気を診断することはできず、測定条件や機器の違いもあるため、絶対値の単純比較には限界があります。