HRVが 低い朝は、 その 日の ゴルフの 調子も 悪いと 判断していい?
HRV・回復状態
まず答え
いいえ。朝のHRVが普段より低いことは回復状態を考える材料にはなりますが、その1回だけで「今日はゴルフの調子が悪い」とは判断できません。自分の普段の範囲からの変化を、睡眠、疲労感、安静時心拍数などと一緒に見ます。
詳しい解説
HRV(心拍変動)は、自律神経の状態を反映する指標の一つですが、単日の値とゴルフの出来が1対1で対応するわけではありません。
2026年に公表された約400人のプロレベルのゴルファーを対象とする縦断研究では、35,140夜の睡眠・生体データと521競技の成績が解析されました。個人内でHRVが高い時期にはストローク・ゲインドの一部と関連がみられましたが、選手を平均HRVの高低で分けた比較では総スコアに有意差はありませんでした。研究自体も、夜間HRVだけでは解釈に限界があり、起床後測定などの追加評価が今後必要としています。
また、40人のアマチュアゴルファーを対象に競技的なパッティング中のHRV、姿勢動揺、皮膚電気活動を測った研究では、競技中にHRV指標の変化は確認されたものの、測定した生理指標の変化と良いパッティング成績との有意な関連は確認されませんでした。
つまり、HRVは「調子そのもの」ではなく、状態を観察する補助情報です。朝の値が低かった時は、まず測定条件が普段と同じかを確認します。測定時刻、姿勢、前日の運動、睡眠、飲酒、体調、心理的ストレスなどで値は変わり得ます。そのうえで、自分の通常範囲から何日か続けて低いのか、安静時心拍数や睡眠、主観的な疲労も同じ方向へ悪化しているのかを見ます。
当日のゴルフでは、HRVだけを理由に「今日は悪い」と決めつけるより、ウォームアップ時の打点、球速、ばらつき、体の重さなど実際のプレー情報を合わせて判断する方が安全です。低いHRVが続き、体調不良や強い疲労もあるなら練習量を落とす判断材料になりますが、1回の低値だけでスコア悪化を予告する使い方は根拠が十分ではありません。