ゴルフの 「注意制御」と 「注意配分」は、 どう 違う?
メンタル・注意
詳しい解説
注意制御と注意配分は、どちらも「集中」に見えますが役割が違います。
注意制御は、注意そのものを調整する働きです。たとえば雑音や直前のミスへ意識がそれたときに狙いへ戻す、構えた後に余計な動作チェックへ入り込まないようにする、必要なら別の情報へ注意を切り替える、といった働きが含まれます。
一方、注意配分は、その時点で使える注意を「何へ、いつ振り分けるか」という配置の問題です。パットなら、ラインを読む段階では傾斜や目標、構えた後はボールや狙い、実行直前は必要な視覚情報へ、というように対象と時間配分が変わります。
初心者と経験者のパッティングで注意の向け方を操作した研究では、動作そのものへ強く注意を向けさせる条件などによって、経験者と初心者で成績への影響が異なりました。これは、注意をどう制御するかが技能水準によって異なることを示しています。
別の視線研究では、低ハンデと高ハンデのゴルファーで、ボール・目標・クラブ・芝面に向ける注視回数や時間配分が異なりました。低ハンデ群はすべてを均等に見るのではなく、対象ごとに異なる時間を使っていました。これは注意配分を考える具体例です。ただし、視線位置は注意の一部を観察する方法であり、目を向けた場所と頭の中の注意が完全に同じとは限りません。
実戦で分けるなら、「注意がそれた後に必要な情報へ戻れない」は注意制御の問題、「戻れてはいるが、見る対象や考える内容が多すぎる・必要な順番で配れていない」は注意配分の問題として整理できます。
両者は独立ではありません。注意を制御できても配分先が適切とは限らず、適切な配分を知っていてもプレッシャー下でそこへ戻せないことがあります。改善するときは「集中力がない」と一括りにせず、戻す力と振り分け方を分けて確認する方が原因を切り分けやすくなります。