ゴルフで いう 「注意配分」って 何?
メンタル・注意配分
詳しい解説
注意配分は、ショット中に使える注意を、どの情報へどの程度向けるかを表す考え方です。ゴルフでは、ショット前の情報収集と、実際にクラブを動かす瞬間で必要な注意対象が同じとは限りません。
例えばパットなら、準備中はラインや目標を確認し、実行直前はボールや狙った開始線へ注意を絞る、といった配分があります。身体、クラブ、ボール、目標をすべて同じ強さで同時に監視することを意味するわけではありません。
Vickersの1992年研究では、低ハンデ5人と高ハンデ7人が3mのパットを行い、視線を計測しました。低ハンデ群はボールと目標への注視が長く、クラブや地面への注視は少ないなど、高ハンデ群とは異なる視線配分を示しました。これは技能によって、視覚情報へ注意を割くパターンが異なる可能性を示します。
WilsonとPearcyの2009年研究では、6人のゴルファーが平坦と複数の曲がるラインで3mのパットを行い、準備段階と実行段階の視線を分析しました。曲がりの大きさによって成績や視線行動が変わり、課題条件によって必要な情報の取り方が同じではないことが示されています。
一方、注意配分には『外を見るか、身体を見るか』という軸もあります。2023年のパッティング研究では、動作そのものへ内的注意を向ける条件は成績を低下させましたが、身体感覚へ注意を向ける条件では同じ低下が確認されませんでした。したがって、内側への注意をすべて悪いものとしてまとめるのも適切ではありません。
実用上は、①判断時に必要な情報、②アドレス後に残す情報、③実行中に使う一つの主なキュー、を分けます。ミスが出たときは『集中できなかった』だけで済ませず、注意が目標、身体、結果への不安など、どこへ偏っていたかを確認します。
注意配分は、注意の量を増やすことではなく、そのショットで必要な情報へ注意を適切に振り分けることです。