グリーンに 湿潤剤を 使うと、 ボールの ロール距離は 伸びる?
湿潤剤・グリーンスピード
まず答え
少なくとも2018年にフロリダのTifEagle・サンドグリーン2地点で行われた比較試験では、湿潤剤によってボールのロール距離が伸びる証拠は確認されませんでした。湿潤剤は主に土壌水分を管理する資材で、使えば必ずグリーンが速くなるとはいえません。
詳しい解説
湿潤剤(ウェッティングエージェント)は、撥水性のある土壌で水を入りやすくしたり、水分分布を整えたりする目的で使われます。そこから「表面が乾いて硬くなり、ボールが長く転がるのではないか」という考えもありますが、実際の効果は条件ごとに確認する必要があります。
ShaddoxとUnruhの査読研究では、2018年にフロリダ州JayとFt. LauderdaleのTifEagleハイブリッド・バミューダグラスのサンドグリーンで、7種類の湿潤剤と無処理区を比較しました。各処理は4反復で、ボールのロール距離、表面硬度、体積含水率を毎週測定しました。
その結果、どちらの地点でも、湿潤剤が無処理区よりボールのロール距離を増やした月はありませんでした。表面硬度についても増加は確認されず、一部の処理では時期によって硬度が低下しました。体積含水率も処理や時期で変化しましたが、「湿潤剤を使うと一貫して乾いて硬くなり、ロール距離が伸びる」という結果ではありませんでした。
研究では、表面が硬いほどロール距離が長くなる関係自体は統計的に確認されました。ただし、その関係の強さは大きくなく、この試験では湿潤剤がその硬さやロール距離を押し上げる証拠は得られていません。
したがって、湿潤剤は「グリーンを速くする資材」として一律に考えるより、水分管理の目的で使い、そのコースの芝種、根域、散水条件、製品、季節で実測して判断するのが適切です。この研究はTifEagleのサンドグリーン2地点での結果なので、すべての芝種・湿潤剤・気候へそのまま一般化はできません。